平成8年度 委託研究ソフトウェアの 最終成果報告書

(17) 論理型言語 KLIC を用いた概念学習システムの研究

研究代表者:伊藤貴康 教授
      東北大学大学院情報科学研究科


   高度な知識処理システムの実現には,知識ベースシステムの高度化が必要である.知識ベースシステムの一つとして,概念学習機能を知識ベースシステムに具備させることにより,新しい概念や高度な概念を獲得するアプローチがある.    本研究では,述語論理を用いて表現された概念や事実からなる知識ベースを基に,制約知識を利用して新しい概念や高度な概念を学習する対話型概念学習システム CONCEPT-LR を設計し,その処理系を ICOT で開発された並列論理型言語 KLIC を用いて作成した.    CONCEPT-LR は新しい知識や概念をユーザとの対話によって学習するシステムである.CONCEPT-LR は,"制約知識獲得モジュール","学習モジュール",知識ベースモジュール","ユーザインタフェースモジュール" の4つのソフトウェアモジュールから構成されている.    "制約知識獲得モジュール" はユーザから領域知識を獲得する."学習モジュール" は述語論理に基づいた機能的学習機能と類推による学習機能の2つの学習機能を備えており,ユーザはこれらの学習機能のどちらかを選択して使用することができる.データベースモジュールは,概念データベースや領域知識ベースなどの各種のデータベースとそれらへのアクセスを制御するモジュールである.ユーザインタフェースモジュールはシステムとユーザとの対話を実現する.CONCEPT-LR はユーザとの対話によって学習を進めていくシステムであるため,対話的応答性が重要である.システムの作成にあたっては,対話的応答性を向上させるため学習機能の一部を並列化し高速化を計っている.



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