平成8年度 委託研究ソフトウェアの中間報告 |
平成8年度委託研究中間報告 1 研究テーマ、研究代表者: (1)研究テーマ 論理型言語KLICを用いた概念学習システムの研究 (2)研究代表者(氏名、所属、役職) 伊藤貴康 東北大学大学院情報科学研究科 教授 2 記述項目: (1)研究進捗状況 7月中旬に委託研究についての通知を受け、計算機環境や研究体制 について検討整備の後、8月からシステム設計およびアルゴリズム の検討に入った。 述語によって概念を表現する論理的アプローチを取ることを前提と して、先ず、帰納的学習アルゴリズムと類推による学習アルゴリズ ムを基にした概念学習システムの設計を行い、KLICによるシステム の作成に着手した。システム設計の結果と昨年度に行った予備実験 を参考にしてプログラム作成が大学院学生によって進められている。 {当初計画では、6月からの研究開始を予定していたが、通知の遅れ 分のと、7月と8月は建物の改修に伴う建物の閉鎖や停電等で2週間 余は研究が出来ない期間があったため計画より若干の遅れがある。} (2)現在までの主な成果 ・ユーザインタフェースおよび制約知識の獲得のモジュールの第1版 をKLICを用いて作成したこと。 ・述語概念の帰納的推論モジュールの設計を行い、それらの第1版を KLICを用いて作成したこと。 帰納的学習アルゴリズムとして、一般化による学習と特殊化による 学習のアルゴリズムを実現している。 ・類推による学習の簡単なアルゴリズムを設計し、KLICにより作成し たこと。{これについては(3)に記載のように改良・機能拡張を行 う予定である。} (3)今後の研究概要 ・類推による学習の機能が貧弱であるので、(九大)有川等の類推アル ゴリズムも参考に再設計し、実現すること。 ・知識の入力法がユーザがとって分り難く使用上不便であるので、ユ ーザが分りやす形式で入力出来、知識の修正なども行いやすい形態 とすること。 ・高次概念の学習アルゴリズムの検討も開始しているが、この研究を 進め、実現すること。 ・貿易データベースの検索への応用の検討も大学院学生によって開始 されており、OECD等のデータベースの入手について調査検討を開始 している。データベースの入手後、そのデータベースの性質に合っ た応用を行うこと。 (4)今年度目標成果ソフトウェアイメージ ユーザから見たときのシステムイメージとして次のように動作するも のを考えている。 ユーザは、知識をユーザインタフェースを介して入力する。入力形式 としては、対話型のものとファイル形式の2種類用意される。対話型の 入力は単純な知識の入力に適しており、ファイル形式のものは複雑な 知識の入力に適している。入力された知識は知識ベースに貯えらると 共に、概念学習の対象とされる。学習に当っての事例の要求や仮説の 呈示などがユーザインタフェースを介して対話的に行われる。 学習は、概念を表す述語解釈とデータベース操作の機能などを用いて 行われることになる。