平成8年度 委託研究ソフトウェアの提案 |
論理型言語を用いた知識ベースシステムにおいては、述語論理を用いて概念や事実などの知識が表現されて知識ベースが形成される。知識ベースの高度化の研究のため、制約知識を利用して新しい概念や高度な概念を学習する概念学習システムを設計し、第五世代コンピュータプロジェクトの核言語として開発されたKLICを用いて、その処理系の試作するという予備研究を平成7年度に行った。本研究では、平成7年度における経験をふまえて、述語論理を基にした概念学習システムの設計と作成を行い、学習機能を有する知識ベースシステムとしての評価実験を行う。
高度な知識処理システムの実現には、知識ベースシステムの高度化が必要である。知識ベースの高度化の一つとして、概念学習機能を知識ベースシステムに具備させることにより、新しい概念や高度な概念を獲得するアプローチがある。
本研究では、述語論理を用いて表現された概念や事実からなる知識ベースを基に、制約知識を利用して新しい概念や高度な概念を学習する対話型概念学習システムを設計し、その処理系を並列論理型言語KLICを用いて試作する。
処理系の作成に当っては、対話的学習環境の改善と推論操作の並列化に留意した設計・開発を行う。また、システムの実験評価についてもこれらに留意した評価を行う。
システムの実現には、6 CPUのDEC7000 とその上の並列論理型言語 KLIC が用いられ、学習・推論操作の並列化とその評価実験も行う。
評価実験においては、学習機能の評価、並列化効果の評価を行う。
また、応用としては、貿易データベースへの応用を試みる。
KLICを用いた概念学習ソフトウエア: <仮称> CONCEPT-LR
KLICを用いた概念学習ソフトウエア CONCEPT-LR は、次のような3つのモジュールからなる。
トップレベルは、
* ユーザインタフェース
であり、対話的に
* 制約知識獲得モジュール
* 学習モジュール
が呼び出される。
制約知識獲得モジュールと学習モジュールは、知識ベースに対する参照と更新を行う。
ソフトウエアは、並列論理型言語 KLIC で作成され、実行マシンは、6台のDEC-Alpha Processorからなる共有メモリ型計算機DEC7000であり、OS は OSF/1 である。
ICOTからリリースされている並列論理型言語 KLIC を使用。
使用言語は、並列論理型言語 KLIC であり、動作環境は、OSF/1 の下で動作する DEC7000 である。
また、SPARC-Center上でも動作可能とする予定。
KLIC program: 約3000行
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