平成8年度 委託研究ソフトウェアの概要

(14) ゴールに依存した抽象化を用いた法的推論

研究代表者:原口 誠 教授
      北海道大学工学部


     本調査研究では、ゴールに依存した抽象化(GDA)を用いて、制 定法の類推適用や判例の事例ベース推論で用いられる法的概念間の類似性を検 出・吟味するためのソフトウエアシステムを構築する。その際、言語外の常識 知識の欠如による法的領域知識の不完全問題に対処するための方法論を、構造 的類似性、知識更新、および語彙的知識表現の観点から新たなアイデアを提示 し、それをソフトウエアとして実装しテストする。具体的な研究内容は下記の 3項目に絞られる。  (1) 民法、および国際統一売買法の類推適用において 実際に用いられた類似性判断をGDAにより抽出する実験を行い、計算方式の 改と新たな定性的もしくは定量的経験則の導入を試みる。 (2) 意図していな い類似性をトリガーにし、そうした類似性をブロックする知識更新を支援する 方式を設計し実装する。 (3) 平成7年度のGDA方式にロール制約を導入し、 語彙の定義構造を保存する類似性を検出するソフトウエアに進化させる。

研究の期間  平成8年6月1日より平成9年3月末日(昨年度から継続2年目)
研究従事者
原口 誠   北海道大学工学部 教授
佐藤 健   北海道大学工学部 助教授
大久保 好章 北海道大学工学部電子情報工学専攻 助手
櫻井 成一朗 東京工業大学大学院社会理工学研究科社会工学専攻 助教授
國藤 進   北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科 教授
東条 敏   北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科 助教授

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