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内田■おっしゃる通りで、日本では、国民的なコンセンサスをつくるプロセスがうまく機能していません。 ハードウェア産業の場合は、個別の製品が出来上がると、それが独立して社会に広がっていくことでビジネスが成り立ちました。ところがこれからのソフトウェア産業は、全産業を結ぶ神経網とその上に乗る機能、これの多くは社会システムや企業システムとなりますが、これらを作ることが使命となります。 ですから、そのようなソフトウェアシステムにおいては、業種の壁や生産者や消費者などの人間集団の壁を越えて、そのソフトウェアシステムを利用する国民一般や企業、行政機関などが技術開発やシステム開発に関係し、その国家投資も巨大となります。したがって、国民的コンセンサスに裏打ちされた国家的ビジョンの有無が情報技術開発や産業や社会の情報化を速やかに進め得るか否か左右します。21世紀の社会システムとして何が必用か、その機能はどうあるべきか、また、基盤となる情報インフラはどうあるべきか、といった国民的議論を活発化しなければなりません。 既存の業種の壁や省庁間の縦割り行政の壁などを取り払った新しいビジネスモデルや社会モデルを描き、国家的ビジョンを策定し、それを実現する明確な技術開発政策を作り、試行錯誤を繰り返しながらそれを実施する。そして新しい情報技術を駆使した社会を実現して行く努力を国が行わねばならないと思います。米国は日本の数歩先を行っていますから、その技術開発戦略やプロジェクトを分析し、学ぶべきものは学び、日本に適した方法を見いだして行きたいものです。
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内田■確かにそうです。まさにドッグイヤーと言われている通りです。そして、新技術開発も、もはや10年計画などと言っている場合ではなく、3年計画でも遅すぎるくらいだ、という話もよく耳にします。しかし、この点についてはよく見極めないと、判断を誤りかねません。 |
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