対話的整形は基本的には手書きストロークの整形システムであり、以下のように動作する。まず、ユーザは描きたい線分の概形を手書きストロークで描く(図2a)。システムは入力されたストロークと周囲の図形との位置関係をもとに必要な幾何学的制約を自動的に推測する(図2b)。最後に推測された幾何学的制約を適切に組み合わせることにより整形を行い結果をユーザに返す(図2c)。このような手法を用いることにより、複雑な図形操作コマンドを利用することなく目的とする図形の概形を手書きで描いていくだけで正確な図形を描くことが可能となる。
しかし、手書きによる入力は本質的に曖昧であり認識誤りの問題が避けられない。そこで対話的整形では整形結果として複数の候補を自動的に生成して提示し(図2d)、ユーザによる選択を許すことによりこの問題を回避している。複数候補は、制約推測部で得られた制約集合の中から矛盾しないもの同士を適切に組み合わせて解いていくことによって生成され、ユーザの選択は希望する候補を直接タップすることで実現される。