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はじめに

計算機上での図形描画システムは すでに一般に広く普及しており、 簡単な操作で紙の上の作業では困難であった 正確な図形を手早く描くことが可能になっている。 しかし、ただ単に独立した図形要素を適当に並べるだけでなく 各種の幾何的位置関係を満たした図形を描こうとした場合には、 通常複雑な操作を組み合わせて使用することが必要となる。 たとえば、対称な図形を描く場合には複製、反転、移動、といった操作を 組み合わせて使わなければならず、また 斜線に垂直な線分を描く場合には複製、90度回転、といった操作が必要になる。

これらの複雑な操作は、描画作業の効率を下げる原因であり、また 適切な操作の組み合わせを見つけられないことによる 不完全な図形描画の原因にもなり得る。 我々は、このような 幾何制約充足に関わる 編集操作からユーザを解放するものとして、 ユーザの手書き入力から自動的に満たすべき幾何学的 制約を推論し制約解消系によってその制約を解くことによって 整形を行なう手法を提案、プロトタイプシステムの実装と 評価を行なった[2]。

図 1 に、プロトタイプシステム上での描画例を示す。 本手法により、 この図のように左右対称や平行垂直、接続、 平行線分間の距離の一致といった複雑な制約を満たす図形を、 複製や反転・回転といった編集操作や 特殊な描画モードを一切使用することなく描くことが可能となる。

 
図1: プロトタイプシステム上での描画例



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