next up previous
Next: エディタとトレーサの連携の強化 Up: 研究上の成果 Previous: 複数の側面を有するパターンの支援

複数の実現を保持するホールの支援

前節が、「どこを変更すべきか」を示すためのインタフェースに関するもので あるとするなら、この項目は、「何に変更すべきか」を示すためのインタフェー スに関するものである。 一つの変更可能箇所に対し,同時に複数の実現を保持することを可能とすると ともに、必要に応じて実現の切り替えが可能となるようなインタフェースの設 計と実装を行った。 この機能の導入により、以下のような異なる種類の実現を同時に保持・管理す ることが可能となった。

デフォルトの実現:
多くの場合に妥当な性能を発揮する実現が存在する問題領域では、デフォルト の実現を提供することが可能となる。 このような実現が利用できると初心者には好都合である。また、熟練者にとっ てもプロトタイピングの際などに便利である。

選択肢としての実現:
デザインスペースをカバーするようないくつかの実現が提供されていると、問 題に応じて、適切な選択肢を選ぶことが可能となる。 このような選択には問題領域に関する知識が必要となるが、それでもプログラ マが一から独自の実現を構築するよりははるかに便利である。

サンプル実現:
デフォルトの実現も適切な選択肢も提供されていない場合、プログラマは自ら 新しい実現を構築する必要が生じる。 このような場合、サンプルの実現が存在すると、ホールの挙動に対する理解を 深めるために便利である。 サンプルの実現を含むプログラムを実行し、KLIEG のトレーサを用いて可視化 を行うことにより、このメリットを享受することができる。



next up previous
Next: エディタとトレーサの連携の強化 Up: 研究上の成果 Previous: 複数の側面を有するパターンの支援



www-admin@icot.or.jp