知識表現言語においては, 今後の課題として,状況により変化する型階層上の推論を許すた めに部分的型階層を導入した拡張が必要である.即ち, 命題だけでなくソー トや述語の階層関係の明言にも状況依存を許すものである. 型階層は, デー タベースが前提 として持ちうる概念階層, つまり背景知識と考えられる. そのため, データ ベースの変更・追加などに伴って階層構造が変化することはあっても, デー タベース内のルールやファクトの持つ状況によって変化することは考えられ ていない. ところが, 状況を人の信念やある仮説として拡張した場合, その状況 のもとでは違う背景知識が存在することもありうる. そのような推論を行な うには, 状況に依存した部分的型階層が必要である. しかしながら, 部分的 型階層を実現するためには, 階層関係をサポートする状況の意味論をどのよ うに形式化するかが問題となる.
論証構築支援ツールにおいては,基本言語の処理系が完成したので, 今後は 「支援」機能を充実させる必要がある. 具体的には, ゴールを達成するための, ルールの帰納的変形や反論生成のガイド,などの助言機能の開発が必要となる.