平成8年度 委託研究ソフトウェアの 最終成果報告書

(26) KL1 による並列仮説推論システム

研究代表者:伊藤英則 教授
      名古屋工業大学知能情報システム学科


   本研究では、コストに基づく並列仮説推論システムを提案する。並列最 良優先探 索の探索制御技術を仮説推論の推論機構に導入することにより、与 えられた観測に対するコスト最小の説明を効率的に求めるものである。本研究 で提案する並列仮説推論システムはUNIX計算機ネットワーク上で動作する。今 まで特定の並列計算機上でしか動作していなかった並列推論システムに汎用性 を持たせることができる。

   本システムにおける各プロセッサの局所的な推論処理には、並行論理言 語KL1のプログラムをC言語に変換するポータブルかつ高性能な処理系である KLICシステムが導入されている。また、プロセッサ間の通信には、異機種UNIX 計算機ネットワークを結合し一台の高並列計算機として扱うことを可能にする PVM(Parallel Virtual Machine)ライブラリを用いている。

   本システムが実現する並列推論処理では、いくつかの例題知識ベースに 対して良好 な実験結果ならびに並列効果をあげることに成功している。



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