平成8年度 委託研究ソフトウェアの 最終成果報告書

(16) 最尤法を用いた分子進化系統樹作成プログラムに関する研究

研究代表者:斎藤成也 助教授
      国立遺伝学研究所集団遺伝研究系進化遺伝研究部門


   DeepForestとは核酸やアミノ酸配列データを、分子進化学的見地から解析するための、並列論理型言語による述語 集である。DeepForestの機能は大きくみっつに分けられる。すなわち、(1)分子進化系統樹の推定、(2)多重整列、そし て(3)データベースの操作である。また、これらに加えて、従来のデータ解析プログラムとは異なり、系統樹の解釈のよ うな知識情報処理を行なうことも目的としている。しかしながら、今回のリリースにおいては、その一部のみが実現さ れている。    一方、DeepForestは様々なユーティリティ・プログラム(正確には、述語)をKL1により実装している。これらは、 データの検索、入出力、変換、そして文献データベースの生成の機能等を含む。KLICを用いることにより、これらのプ ログラムはUNIXベースのOS上で動作可能である。Sunワークステーション以外では、マッキントッシュやクレイCS6400 (共有メモリ型超並列マシン)上で動作を確認している。    DeepForestは完成されたパッケージ・プログラムを提供するというよりは、有用な述語を用意することを主眼に書 かれている。したがって、ユーザーがKL1を理解し、我々の書いた述語を用いて、新しいプログラムを効率的に書くこと が最も望ましい利用形態である。実際、KL1は、まったくの初心者にとって、きわめて学習のし易い言語である。



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