平成8年度 委託研究ソフトウェアの 最終成果報告書 |
自然言語文の解析のためのツールおよび解析過程を動的に表示するため の環境の開発を行った。開発したシステムは次の3つのコンポーネントよりな る。1)チャート法に基づく自然言語解析システムで、SAXと呼ばれ、確定 節文法によって記述された文法を解析プログラムにコンパイルすることによっ て高速に動作する。2)解析過程における曖昧性を現象されるための統計処理 に基づく日本語係り受け解析システム。3)構文解析の途中過程を視覚的に表 示するためのインターフェース。統計的な係り受け解析においては、係り受け 解析済みのデータから文節間の修飾、被修飾語の依存関係を統計的に抽出し、 それに基づいて、未知の入力文に対して確率的に最も妥当と思われる係り受け を出力する。 このシステムは、低い確率値をもつ係り受けを部分的に排除することも 可能であり、本システムによって確率的に認めがたい係り受けを制限した出力 を単一化文法に基づく解析システムに渡すことにより、処理のオーバーヘッド を大幅に軽減することが可能になる。
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