平成7年度 委託研究ソフトウェアの中間報告

(21) 膜タンパク質立体構造予測のためのタンパク質判別・二次構造決定システムの開発と公開

研究代表者:美宅 成樹 教授
      東京農工大学 工学部 生命工学系


[中間報告]

本研究では、膜タンパク質立体構造予測のためのタンパク質判別・二次構造予 測システムを開発し、インターネット(WWW)公開を行うが、そのために現在
(1)タンパク質判別・二次構造高精度予測法の確立と、
(2)インターネット対応のスクリプト作成とサーバー環境設定
を平行して進めている。それぞれの進行状況を以下に示す。

(1)タンパク質判別・二次構造高精度予測法の確立:

タンパク質判別のためのアルゴリズムは、既に方法が確立されておりX-Window 対応のアプリケーションとして利用可能な状態にある。また二次構造高精度予 測法もほぼ完成しており、現在さまざまなサンプルデータを解析して予測精度 の検証と精度向上のためのパラメータ決定を行っている。

(2)スクリプト作成とサーバー環境設定:

予測計算のためのスクリプト及びHTMLによるインターフェース部分の作成は、 タンパク質判別モジュールに関してはほぼ完成している。またサーバーの環境 設定において現在専用のサブドメインを申請中である。両者とも調査研究のス ケジュール通り、順調に進行している。

【現在までの主な成果】

タンパク質判別の現在予測精度は99%まで向上しており、試験的にインターネッ トで利用可能な段階にある。二次構造予測については二つの段階の予測(1) 二次構造存在の有無、(2)二次構造の領域の予測が必要である。現在(1)に 関して、これまで報告されているシステムよりよい精度で予測が得られる可能 性が示唆されていて、最終的な評価を行いつつある。また(2)の予測につい てもパラメータこそまだ十分に決定されていないが既に予測精度は80%に近 い予測水準に達している。これらの研究成果は、今年度末に行われる「第5回 ゲノム情報ワークショップ」で発表する予定である。

【今後の研究概要】

今後は、二次構造予測法の確立(二次構造存在領域の予測のためのパラメータ 決定)と検証(本年度中)およびスクリプトの作成(平成8年1月〜2月)を中 心に研究を進めていく予定である。その後タンパク質判別と二次構造予測を統 合した形で実際にインターネットサービスを行う予定である(平成8年2月〜3 月)。

【今年度目標成果(イメージ)】

現在申請中のサブドメインが利用可能になり次第、専用のホームページ(WWW) を作成し、タンパク質判別計算の試験運行を今年度中に行う予定である。特に 本年度中はホームページにアクセスした感想や、タンパク質判別計算の結果に 対するユーザーの意見等がコメント入力できるインターフェースを用意して、 その情報を常にシステム開発に反映できるようにしたいと考えている。



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