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研究の内容

本研究は大きく以下の3つに分かれている。

以下それぞれについて研究内容を概要を説明する。

(1)新しい言語仕様 

新しい言語仕様としては以下の2つの機能の追加を目指している。

これらはQuixoteの適用分野の拡張と将来のQuixoteのプラットフォーム化とい う2つの狙いを持っている。

「意味の定義機能」は、複数の機能の選択が可能であるにもかかわらず設計時 の判断で単一の機能のみを選択していたのに対し、ユーザが選択できるように することである。たとえば集合間の順序付けとして、部分集合関係、Hoare 順 序、Smyth 順序、Egli-Milner 順序などが考えられるが、現在の処理系は Hoare 順序のみを組込みとしている。しかし実際の応用の記述実験からは、順 序の選択や複数順序の使用が要求されている。したがって単に多数の機能を組 込みとするのではなく、言語仕様としてより多くの機能を定義できるような定 義機能を持たせたい。

「情報の局所化機能」は、モジュールの内外で情報が大域化されたり局所化さ れているが、その基準が必ずしも現実の応用に合致していないので、それを自 在に設定できるようにすることである。現在の処理系では、大域的な情報とし てはオブジェクト識別子、包摂関係、部分モジュール関係などがあり、局所的 な情報としてはオブジェクトの存在、包摂制約などがある。しかし包摂関係の 局所化を始めとしてそれらの区分けに異議を唱える応用が多く存在する。した がってこれらの区分けを柔軟にする機能を持たせたい。

上記の2つの機能は、下記 (3) の応用の記述実験とプロトタイプの 試作によって検証し、必要機能を絞り込むとともに具体的な言語仕様へと洗練 化を行なう。

(2)処理系

処理系の作成の基本的方針として、

を考えている。上記 ((1)) で定義される情報を静的に評価すべきか 動的に評価すべきかが、もうひとつの大きな問題であるが、これは他の追加機 能の仕様がフィックスした段階で処理系全体の構成を検討する予定である。

(3)応用の記述 

応用の記述とプロトタイプの試作については、

を考えた。これらは、新しい言語仕様をフィックスするための問題点、改善点 の抽出、新しく作成した処理系の評価の2つの狙いがある。

本研究の目標は、言語仕様に柔軟性を持たせ処理系をコンパクト化することで あり、それによって、知識処理分野での知識表現言語として、またデータベー ス言語、知識ベース言語として、Quixoteの普及を加速させたい。



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