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研究の背景と目的

知識情報処理などの応用の高度化に伴い、データベースに格納するデータや知 識も複雑化し、それらを表現し処理するための高度な知識表現言語とデータモ デルが求められている。第五世代コンピュータプロジェクト およびその後継 プロジェクトの中では、そのような背景を踏まえて、演繹オブジェクト指向デー タベースという新しいデータモデルを提唱し、そのための言語 (およびシステ ム)Quixteを研究開発してきた。さらにQuixteの有効性を示すために、法的 推論、自然言語処理、遺伝子情報処理への応用システムが構築された。現在 ICOT フリーソフトウエア (IFS) としては、Quixteの処理系3種類:

   11: KL1 版 Quixte
   79: KLIC 版 (big-)Quixte
   80: 簡易版 micro-Quixte

および、遺伝子知識ベース2種類:
   83: 蛋白質特徴知識ベース
   96: 代謝反応知識ベース

が公開されている。Quixteの有効性は 1989 年からのこの5年間の研 究開発によって示されてきたが、多くの反省点も出てきている。本研究開発は、 これまでのQuixteの処理系とその応用の研究開発を踏まえ、 Quixteをより多くの環境でより幅広い応用に使用可能にするための、 言語仕様の再検討を含むQuixte処理系の開発を目指している。

現在 Unix 環境で動くQuixteの処理系には、上で述べた

   79: (big-)Quixte
   80: micro-Quixte

の2種類があるが、今後Quixteを普及させていこうとすると、これらが抱 えている問題を解決しなければならない。前者は、KL1 から KLIC への移植時 にコンパクト化に失敗し結果として巨大なシステムになり、個人では保守がで きない状態 (少なくても開発を担当した4人が必要) で、後者は移植性と開発 期間の短縮 (1人×6カ月) に重点を置き過ぎたために (オブジェクトの意味 論の変更など)Quixteの特徴を大きく縮退させている。

本研究ではQuixteを知識処理分野に普及させるために、移植性が高く、か つQuixteの演繹オブジェクト指向データベースとしての本来の特徴を持っ ている処理系の研究および作成を行なう。処理系としての位置付けは big と micro の中間的な性格を持つが、内容的には現在の big の言語仕様の部分集 合ではなく、知識表現言語のプラットフォームとしての定義機能を含んだもの を研究対象とする。さらにこの有効性を示すために、新たにいくつかの応用で の記述実験も行なう予定である。



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