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9. 中国

9. 中国

 中国は、開放・改革が実を結び、経済特別区、沿岸部を中心に市場経済が発展しつつある。コンピュータ関連では、当初国産コンピュータの開発に固執していた時期があったが、現在では、欧米日のコンピュータ、情報機器を輸入し、情報ネットワークの整備が進んでいる。
 近年の代表的な情報化プロジェクトとして、93年に開始された三金プロジェクトがある。これは「金橋(国家情報通信ネットワーク)」「金関(EDI/貿易情報ネットワーク)」「金カード(クレジットカード)」を指している。その後も、「金税(徴税収管理ネットワーク)」、「金企(生産・流通ネットワーク)」等の構築プロジェクトが推進された。98年には、電子商取引を推進するための「金貿」プロジェクトが開始された。
 「金橋プロジェクト」は、国家経済情報ネットワークであり、現存の郵政省のネットワークと他の部門のネットワークとを接続した全国的なネットワークである。中国の四大国際ネットワークの一つでもある。第一期の投資額は8.7億人民元である。
 「金関プロジェクト」は、税関・貿易・外貨管理・税務ネットワークであり、輸出企業の税金の払い戻し、割り当て許可の管理・国際ビジネスの決済と統計などの情報システムに貢献している。
 「金カードプロジェクト」は、主に電子マネーの応用システムであり、郵政省と人民銀行既存ネットワークで金橋ネットワークを通じて、金融業のクレジットカードとキャシュカードを普及させ、商取引・行業の新支払い手段を提供する。
 「金税プロジェクト」は、税金徴収の管理システムであり、問題のある領収書の監査と脱税の取立てに大いに貢献している。
 「金企プロジェクト」は、国家経済貿易委員会が実施したプロジェクトであり、製品・企業・業界のデータベースを設計し、経済政策の決定に科学的な根拠と情報を提供する。
 江総書記、朱首相らの政府リーダーも情報化を重要視しており、2002年から始まる第10次五ヵ年計画での優先課題として、情報通信インフラ整備、IT技術とIT産業の発展、産業・社会における情報化の推進を取り上げている。

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