一般に,連言を含む問題は組合せ問題であり,バックトラックを導入して解決 することが多い.しかし,本研究では,問題の形を制限することで,バックト ラックを導入せずに,制約の連言を導入することに成功した.
特に問題になったのは,一旦解かれた階層連立1次方程式に新しい制約を追加 したり,既存の制約を削除したりするという,インクリメンタルな制約解消で ある.この場合,これまでのHiRise のインクリメンタルな制約解消の手順 を単純に変更するだけでは,誤った解を生じる可能性があった.本研究では, このような状況を避けるため,新たに有効化された制約のために,それまで有 効だった,より弱い制約の連言を無効化する必要がある場合に,その直後に, さらに弱い無効な制約の中から,最終的に有効になる可能性がある制約を選び 出すという処理を挿入することで対応した.