Apple 社の Newton などに見られる 既存のペンによる描画システムは、 フリーストロークを入力として 線分や長方形といった整形された図形を返し、 さらに必要に応じて 端点接続や線分の水平垂直化などの制約を満たすことが できる。 今回提案する対話的整形システムは それら既存のシステムに比べて 1) 平行や幅の一致といったより複雑な制約を同時に満たすように整形を行ない、かつ 2) 曖昧性の解消のために複数候補を自動生成する、 という点が異なっている。
整形システム[3]と比較した場合には、 図が完成してからまとめて整形するのでなく、 ストローク毎に整形して結果を返していく点が異なっている。 こまめにユーザとのインタラクションを行なうことによって、 整形によって図形が全面的に破壊される危険を侵さずに、 安定して描画をすすめることが可能になる。
ペン入力の認識に関してはさまざまな研究がある[1] が、多くは入力を単体で認識して 特定のパターンに変換するものであり、 ある特定の目的にそった図を描くのに適している。 しかし、対話的整形は入力ストロークを幾何制約を満たす直線 に変換するものであり、 より一般的な図形の描画を目的としている。