平成8年度 委託研究ソフトウェアの中間報告 |
平成8年度委託研究中間報告 1 研究テーマ、研究代表者: (1)研究テーマ KLIC による並列アクテイブデータベース処理の実現 (2)研究代表者(氏名、所属、役職) 氏名: 横田 治夫 所属: 北陸先端科学技術大学院大学 役職: 助教授 2 記述項目: (1)研究進捗状況 関係データベース演算やアクティブルール発火を並列実行し、クラ イアントの SQL インタフェースをサポートする、並列データベース 管理システムのプロトタイプを、KLIC によって実現することを目的 として研究を進めている。以下に、a) SQL クライアント、b) 並列関 係データベース演算実行、c) 並列アクティブルール発火、d) 耐故障 化、に分けてその内容を簡単に記す。 a) SQLクライアント インタフェースの拡張として、OQL 的な拡張子で問い合わせのでき るクライアントを試験的に作成している。 b) 並列関係データベース演算実行 最適化のため、並列ノード間の負荷バランスを取るための方法を検 討し、機能を実現中である。 c) 並列アクティブルール発火 ルールの条件照合のため、弁別ネットワークのマッチングノードに ソフトウェアキャッシュを適用する方法を実現し評価を行なうとと もに、弁別ネットワークの最適化のために並列プロセスを割り当て る方式を検討し、実現中である。 d) 耐故障化 オリジナルの KL1 プログラムを、プライマリーとバックアップを 用意して、その間でログを転送することにより、非決定的な動作に も対応できる耐故障化の手法について、検討を続け、超並列マシン 上での実験を行なっているところである。 (2)現在までの主な成果 全体システムの構成についての外部発表を行なった。また、並列アク ティブルール発火については、ある程度効果を示せことができるレベ ルとなってきており、外部発表を 2 件行なっている。更に、耐故障 化についても、ある程度故障化のオーバヘッドについてデータが取れ 始めたので、外部発表を行なった。 関連のある論文のリストを以下に示す。 ・宮崎純,横田治夫,「並列アクティブデータベースのルールにおけ る条件照合の最適化手法の提案」,電子情報通信学会データベース ワークショップ論文集, pp.73-78, (1996). ・久保正典,麦飛,宮崎純,横田治夫,「並列論理型言語を用いた並 列アクティブデータベースシステムにおけるネステッドトランザク ション管理」,電子情報通信学会データベースワークショップ論文 集, pp.67-72, 1996.3 ・杉野栄二,横田治夫,「並列論理型言語におけるフォールトトレラ ントソフトウェアの構成」,並列処理シンポジウム JSPP'96 論文 集,情報処理学会,1996.6 ・Jun Miyazaki and Haruo Yokota, "Software Cache Techniques for Memory Nodes in Distributed Memory Parallel Production Systems", IEICE Transactions on Infromation and Systems, Vol. E-79-D, No. 8, PP.1046-1054, 1996.8 ・横田治夫,宮崎純,土屋由美子,「並列アクティブデータベースエ ンジン Parade の並列処理」,「高度データベース」松江ワークショッ プ講演論文集, PP.426-433, 1996.9 ・Jun Miyazaki and Haruo Yokota, "An Optimization Technique of Descrimination Networks in Active Database Systems for Massively Parallel Processing", CODAS'96, 1996.12 (3)今後の研究概要 並列アクティブルール発火と耐故障化について検討してきた内容を、 実際に KLIC で実現するとともに、並列関係データベース演算実行の 負荷バランスについても、実現を行ない評価していく予定である。 (4)今年度目標成果ソフトウェアイメージ 前年度公開した並列アクティブデータベースシステムを改良して、機 能向上、性能向上を図ったものを公開したいと考えている。また、 耐故障化並列プログラムについては、KLIC で記述したコンバータを 公開したいと考えている。