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研究の背景と目的

知識ベースシステムは、人工知能(AI)の基礎的研究テーマであると同時に、AI の実用化や知識情報処理システム構築のための要素技術として不可欠な研究課 題である。

同システムで用いられている推論機構としては、現在のところ比較的単純な演 繹的推論処理が中心となっている。しかしながら、この演繹的推論だけでは、 発想、常識、また、曖昧・不完全な知識の取り扱いなど、人間のより豊かな知 能の実現に対して限界がある。知識ベースシステムの高機能化のために、演繹 的推論以外にも、仮説に基づく推論、帰納的推論、デフォルト推論、不確かな 知識の利用など、より高度で複雑な推論機能を用いることにより、柔軟で知的 な処理を行なうことが期待されている。

そこで提案者は、特に知識ベースシステムの推論処理の高機能化として仮説推 論に着目し、その推論処理の高速化について検討し、1)無矛盾性の検査の効率 化[4]、2)最適な説明の効率的な探索方法[5]の2方面か ら仮説推論の高速化を提案してきた。また、実用化に耐える規模の知識ベース システムが要求する計算能力にこたえるためには並列処理が欠かせないものと 考える[6]。これまでの研究開発をベースに仮説推論処理を並列 化することにより、高度な知識処理能力を備えたより大規模な知識ベースシス テムが実現できる。



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