本研究で開発したプログラムは、KLICで書かれたものとしては、分散環境で動 作する唯一の浮動少数点演算プログラムである。並列論理型言語が計算サー バーを記述する言語として使えることを示した意義は大きい。
このプログラムの開発過程で、浮動少数点演算に関わるバグをKLICの開発者に 報告できたことも成果のひとつである。
また、データ解析のためのユーティリティー・プログラムは実際の解析を行い ながら書いたもので、KL1の生産性の良さを示すよい例となっている。これら のプログラムでは、KL1の記号処理言語としての特徴が十分に生かされている。
KLICをクレイCS6400のようなスーパー・コンピューターにインストールする一 方で、Macintoshのようなパーソナル・コンピューターにインストールし、い ずれも開発環境として用いることができることを示した。特に、後者の Macintoshについては、生物系の研究機関には潤沢に導入されているので、こ の分野でのKLICの普及に貢献することができるであろう。