平成7年度 委託研究ソフトウェアの 成果ソフトウェア |
マシン Unix マシン 環境 Unix 言語 Prolog ソース量 50 KB(Prolog で約 1300行) 文書 マニュアル (English/Japanese)
係数環を一般の環に拡張する試みは多くの研究者によってなされているが、い ずれの場合も整域に限られていた。作者らは係数環がブール環(整域ではない) の多項式環(ブール多項式環)においてもグレブナ基底を拡張できることを示し、 そのときのグレブナ基底が様々の性質を持つことを証明した。これらのうちの 大半は、体あるいは整域を係数とする多項式環上のグレブナ基底には無い性質 であり、これらの性質によりブール値に関する制約を非常にスマートに解くこ とが可能になる。
ブール多項式環上のグレブナ基底は、独自のM-reductionを用いること、 comprehensive グレブナ基底が容易に構成できること、イデアルの拡張定理に よって解を容易に扱えること、計算アルゴリズムに独自のsyzygy基底およびS- 多項式を用いること等、それまでの体あるいは整域を係数環にもつ多項式環上 のグレブナ基底にはないいろいろな性質を有する。
このソフトウェアの制作にあたり、知識処理を実現する上で集合に関する制約 を扱う必要がある人々にたいして、このグレブナ基底を利用した計算機代数に 基づく洗練された集合制約ソルバーを推論エンジンとして提供することを目標 とした。また、グレブナ基底および comprehensive グレブナ基底の生のソル バーも提供することで計算機代数に興味がある人々にたいしてもわれわれの研 究を紹介することも目標とした。
集合制約ソルバー: | グレブナ基底にもとづく集合制約ソルバーのセッションをスタート させ、様々のタイプの集合制約を処理することができる |
単項順序: | どんな種類のブロックオーダーも扱える |
グレブナ基底: | ブール多項式環における、グレブナ基底及びComprehensive グレ ブナ基底 を計算する |