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研究の内容

本研究の中心的課題となるのは並列プログラムとその挙動をプログラマに対 して視覚的に提示する部分の基本設計である。並列処理に適合する帰納的記 号処理の意味論の研究はバックグラウンドの基盤研究として行なう。特に前 者に関しては以下の点に注目して設計を行う。

本研究では、これらの点を踏まえた上で、最近オブジェクト指向設計法など の分野で注目を集めているデザインパターンの概念を取り入れる。通常のデ ザインパターンは、単なるドキュメントの集まりに過ぎないが、本研究では、 プログラミング環境の GUI を用いて直接的に定義および操作できる対象と してパターンを考え直す。 そのために必要な言語およびユーザインタフェー スの設計と試作を行う。

一方バックグラウンドとして行なわれる帰納的記号処理の意味論の開発につ いては、確率論とホーンプログラムの最小モデル意味論の融合させた分布意 味論が基本となる。分布意味論とは確率論とホーンプログラムの最小モデル 意味論を融合させたものであり、最小モデルを成分が0または1の無限次元 の確率ベクトルの実現値としてとらえる。分布意味論を持つプログラムは統 計的データにより「訓練可能」である。「訓練」は大量の数値計算と大量の 記号処理が混在する従来にない計算過程であり並列処理による効率化が期待 される部分である。



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