以前より、ロボットに関する研究は盛んに行なわれている。しかし、それらの 研究のほとんどは、1台のロボットのみを扱ったもので、マルチロボットの研 究は、非常に少なく、マルチロボットの研究のほとんどが複数台のロボットを 全て1箇所で管理し、パスの作成を行なう中央集権型である。F.P.Preparata and M.I.Shamos(1980)、M.Z.Yannanakis,C.H.Papadimitiou,and H.T.Kung(1987)らは、それぞれのロボットの状況を詳細にデータベースに登 録し、そのデータベースを参照して、各々のロボットが衝突回避を行ない、あ るいは止まって待つようなパスを作成しているが、パスを作成する際にロボッ トどうし交渉は行なわないし、ブロックの位置もユーザ自身が入力しなければ ならない。それに対し、本研究で開発したマルチエージェントロボットシステ ムは、各々のロボットどうしが交渉し、動的環境にも対応できるシステムとなっ ている。
本研究では、環境上のブロックを協調してボックスに入れる片付け問題を対象 として、マルチエージェントロボットシステムを構築した。各々のロボットは 他のロボットの情報(環境情報、稼働状況)を知り得ない。以上のような状況 で、ブロックを複数台のロボットが協調して片付けようとすると、お互いの状 況を知り、タスクを要請する必要が生じる。一般に、このような交渉は、ロボッ ト台数の増加に伴い複雑になる。
本ロボット言語を利用して、構築したマルチエージェントロボットシステムは、 次のことが特徴としてあげられる。