本研究は、主に「KLIC の Tcl/Tk インターフェースの実装」、「KLIC を基礎 にしたビジュアルプログラミング・システム」という 2つの部分からなる。
「KLIC の Tcl/Tk インターフェース(以下、klitcl
という名称
を用いる)」については、既存の Prolog 処理系がどれもほぼ同じようなイン
ターフェースを用いているため、 klitcl
でもこれにならい、
既存のものとほぼ同等のインターフェースを用意する。すなわち、KLIC から
Tcl/Tk の命令を実行する述語を用意すると共に、Tcl から KLIC の述語を呼
ぶための機構も用意する。
「KLIC を基礎にしたビジュアルプログラミング・システム」については、こ れまでの提案で多かった、「図形言語とテキスト言語の切り離し」を実用性を 落すものと考え、図形言語とテキスト言語の共存をはかるというアプローチを とる[1]。つまり、既存のテキスト言語に ビジュアルなシステムを「寄生」させて実現する。これにより、ユーザは常に 最新のKLICの実装を利用できる。「KLIC を基礎にしたビジュアルプログラミ ング・システム」については、本年度は、その重要な要素技術である、「グラ フ描画アルゴリズム」と「定義節の入力における Undo 機能」についての研究 を行った。
特に「グラフ描画アルゴリズムの研究」にあたってはKLIC がグラフによる表 現を用いることから、それに必要とされる各種アルゴリズムについて検討・改 良を行った。ビジュアルプログラミング・システムにおいては、プログラムの 実行をアニメーションで表現することから、「アニメーションを前提としたグ ラフの再配置アルゴリズム」に取り組んだ。