第2章 米国ハイエンドコンピューティング技術の研究開発動向
FY2003 Blue Bookに掲載されている、NITRD関連の省庁およびPCAごとの2003年度予算要求額を表2.1に示す。ハイエンドコンピューティング関係(HEC)予算は全体の半分近く(44.8%)を占めており、当初よりNITRD計画の中心的存在となっている。
また、FY2004(2003年10月〜2004年9月)大統領予算教書におけるNITRD関連予算要求額が2003年2月3日にOSTPのサイトに掲載された。これを表2.2に示す [1] 。
(http://www.ostp.gov/html/budget/2004/OSTP%20NITRD%201-pager%20(OMB).pdf)
表2.2 NITRD計画 FY2004予算概要(単位:100万ドル)
省庁 |
2002 実績 |
2003 要求 |
2004 要求 |
増加率 '03 to '04 |
National Science Foundation |
662 |
678 |
724 |
7% |
Defense |
439 |
442 |
461 |
4% |
Health and Human Services |
347 |
374 |
441 |
18% |
Energy |
306 |
310 |
317 |
2% |
NASA |
181 |
213 |
195 |
-8% |
Commerce |
36 |
38 |
39 |
3% |
Environmental Protection Agency |
2 |
2 |
2 |
0% |
合計 |
1,973 |
2,057 |
2,179 |
6% |
表2.2を見ると、NITRD計画の予算はFY2004予算案においても全体的には順調な伸びを示しており、あいかわらずHealth and Human Services(バイオ、医療関係)の大きな伸びが目立っている。その一方でNASA関係の予算が8%削減されているのが目に付く(ただし、NASAのFY2004予算は、2003年2月1日のスペースシャトル、コロンビア号事故の影響で大きく変わる可能性あり)。
本資料では2004年度におけるNITRD計画の重点項目として以下を挙げている。
[1] この要求額は大統領から議会に提出された予算案にもとづくものであり、議会での審議により大きく変わる可能性を持っている。例えば表2.2におけるFY2003の予算額は表2.1のBlue Book記載額からかなり増加していることがわかる。