FGCSプロトタイプマシン(PIM)


1987年半ば頃から、FGCSプロトタイプマシン(PIM)の要素プロセッサの設計が開始されました。設計に際して、複数の選択肢があることが判明したため、5つの異なるPIMモジュールが作られることになりました。

PIM モデルpはRISC型命令セットを採用し、クラスタ内をコヒーレントキャッシュと共通バスで結合し、クラスタ間をハイパーキューブネットワークで結合したものです。

PIMモデルmはCISC型命令セットを採用し、要素プロセッサ間の結合には二次元メッシュのネットワークを用いました。

これらは応用プログラムについて互換性があるため、応用プログラムを用いて比較検討することができました。

大規模並列ハードウェアシステムでは、要素プロセッサを小さく作ることが必要であり、要素プロセッサは一枚のプリント基板に収められました。このために、VLSI技術を用いました。512台の要素プロセッサからなるPIMは、200M LIPSとなりました。

PIMの開発と並行して、マルチPSIの上でPIMOSや並列応用ソフトウェアの開発が進められました。

プログラム作成用ツールやビジュアルパフォーマンスデバッガなどのツールも準備され、並列知識ベース管理システムKappa-PもPIMOSの上で開発していました。

プロトタイプシステムを評価するため、応用プログラムが開発されました。主なものとして、「並列VLSI CADシステム」、「遺伝子情報分析プログラム」、「法的推論システム」、「自然言語処理システム」、「定理証明プログラム」などがあります。

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