高速性重視の応用


[LSI配線設計]

コンピュータの構成部品であるLSIは、非常に複雑であり、その設計には多くの工程が存在します。
ここでは、特に多大な処理時間がかかる、LSIの配置配線処理と論理シミュレーションについて紹介します。

配線プログラムが動作している様子を見ることができます。このシステムで用いた配線手法は、配線速度と配線品質ともに良好な、予測線分探索法です。


[論理シミュレーション]

論理シミュレーションは、LSI設計の中で、もっとも計算時間がかかるもののひとつです。
論理シミュレーションについての、簡単な説明をします。

LSIの回路設計は、最終的には、ゲートと呼ばれる単位の素子が結線した形で、記述されます。論理シミュレーションとは、ゲートの単位で記述された回路が、設計者の意図どおりに動作するかどうか、コンピュータ上で確認することです。

シミュレーションで発生する大きな問題として、プロセッサによるシミュレーションの進み具合の違いが挙げられます。別のプロセッサから、過去の信号情報が遅れて伝えられるケースです。過去からシミュレーションをやり直す方法で、それを解決しています。

マルチPSI上で並列論理シミュレーションを実行した結果を、紹介します。


[遺伝子情報処理]

ここでは、3次元ダイナミックプログラミングを用いたタンパクの類似性解析が紹介します。タンパクがわかることは、生体の仕組みの多くがわかることになります。

タンパクは、ひも状の分子が折れ畳まれてできています。ひもは、アミノ酸という単位が連なってできています。

タンパクは、文字の配列で表すことができます。未知のタンパクでも、機知の類似の配列を持つタンパクがわかれば、タンパクの構造や機能を推測できます。そこで重要になるのが、配列の類似性解析です。

マルチプルアライメントは、配列の類似部分を揃えて並べる処理です。アライメントは、ダイナミックプログラミングの手法で、原理的に解決できることが知られています。

並列推論マシンを用いることで、三次元ダイナミックプログラミングが、実用的な時間内で解けることを明らかにしました。

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