ここで、 Quixote が誕生するまでを簡単に振り返ってみましょう。

1970年、E.F.Codd によって、表を基本データ構造とする 関係データベース が 誕生しました。それと、1950年代の論理と計算機を繋げようという考え方が 結び付いて、1977年 演繹データベース が 誕生します。

これらとはまた違うところで、1960年代半ばにオブジェクト指向プログラミング が生まれ、それを元として、1985年 オブジェクト指向データベース が 誕生します。

この演繹データベースとオブジェクト指向データベースを比べてみると、 前者は、論理を元として形式的基礎が明確ですが、実験システムが いくつかあるに留まっています。後者は、商用システムなど沢山ありますが、 形式的基礎が不明確です。つまり、これらの長所と短所は互いに相補的な 関係にあります。

そこで、演繹データベースとオブジェクト指向データベースを旨く 組合わせれば、強力なデータベースが作れるのではないかと考えられ、 1989年 演繹オブジェクト指向データベース が 誕生します。

この演繹オブジェクト指向データベースを元として、 制約、仮説推論、自然言語研究の成果を取り入れて、 1990 年 Quixote が誕生しました。

次に、 Quixote の具体的特徴を説明します。