第五世代コンピュータ・プロジェクト評価ワークショップ概要
Summary of the Workshop

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1 開催日時・場所

  6月3日(水)午後4時  10時30分
  東京プリンスホテル マグノリアホール

2 議事概要

 本ワークショップには海外から22名、日本側が約30名の参加者があった。海外からの参加
者を代表する10名による本プロジェクトの評価に関する発表及びソフトウェアの公開と今後の
技術的展望についての質疑が行われたが、その内容は、本プロジェクトに対して全体としてきわ
めて高い評価を与えるもので、今後、本プロジェクトで開発された技術を活用するための提案が
なされた。その内容は、およそ次のようであった。

  ・第五世代コンピュータ・プロジェクトの成否に関しては、技術的成果、および社会的なイ
   ンパクトの両面において、高い評価が得られた。

  ・技術的インパクトとしては、特に、知識情報処理を論理型言語という新しい言語によって
   並列マシン上で展開することにより、たとえば並列定理証明によって、これまでは解けて
   いなかった定理の証明に成功したことなどの、さまざまな科学的・技術的進歩が得られた
   点が評価された。

  ・また、社会的インパクトとしては、人工知能や計算機科学の分野における研究促進、これ
   まで日本では行われていなかった国際共同研究、研究者の育成といった点が高く評価され
   た。

  ・また、並列アーキテクチャや、知識表現言語が、いずれもまだできあがったばかりである
   ため、それらの評価が未着手である等の指摘もあった。

  ・ソフトウエアの無償公開を評価する声も多かった。

  ・今後の技術展開についても本プロジェクトを今年度で終了するのではなく、今後もフォロー
   アップが必要であるとの見解が多く発表された。

  今後の技術展開の内容としては、無償ソフトウェアのサポート、PIM上で動作するソフトウ
エアを市販の計算機に移植することでより広い利用を図るといった本プロジェクトで開発された
技術の普及活動を必要とする声が多く、普及を促進するためのインパクトのある応用研究や、さ
らにこのような広範な利用の結果得られた知見を、さらに発展させるために基礎研究を後継プ
ロジェクトとしてロングレンジで継続し、国際共同研究の輪を広げるべきであるとの結論であっ
た。

第1部:本プロジェクトの評価

 第五世代コンピュータ国際会議1992に参加した上での、本プロジェクトの評価に関
 する発表


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