平成10年度 委託研究ソフトウェアの提案

11.学習機構内蔵型プログラミングシステム PRISM

研究代表者: 佐藤泰介 教授
東京工業大学大学院 情報理工学研究科



[目次]

  1. ブラッシュアップ対象ソフトウェア名称
  2. 体制/方法
  3. 想定されるブッシュアップ成果

[ブラッシュアップ対象ソフトウェア名称]

[体制/方法]

(1) 体制

 氏名 所属
研究代表者 佐藤 泰介東工大情報理工学研究科
研究協力者亀谷 由隆同研究科(D2)
研究協力者 上田 展 久同研究科(D1)
研究協力者石丸 浩同研究科(B4)

(2) ブラッシュアップの方法

デバッガの実装
PRISM マニュアル英訳


[想定されるブラッシュアップ成果]

  1. ブラッシュアップ項目

  2. 上記のブラッシュアップによるユーザの立場からみた改善点

    PRISMプログラムは論理と確率の2つの側面を持ち、 従ってデバッグは、従来の論理プログラムのデバッグとプログラムが満たすべき統計的性質のデバッグの2種類に分かれる。

    PRISMの実行モードは3つある。 通常の実行モードであるサンプリング実行は基礎分布に応じた最小モデルの実現値を求める事に相当する。サンプリング実行では同じゴール(グラウンドアトム)に対して実行するたびに異なる結果(実現値、成功/失敗で表される)を返すが、独立に多数繰り返した時の分布が丁度プログラムが意味する分布となる。 次の確率モードでは答と共に正しさの確率を付けてを返す。ゴールに対し成功した時は例えば確率 0.7など値を付けて返す。これはサンプリング実行を多数独立に行なえば平均して100回の内70回成功するという意味である。最後はや答のゴールその正しさの確率を計算する式を付けて返す数式モードである。式は基礎確率を持つアトムの連言の選言となる。これと基礎分布を組合せ答のゴールの確率を計算できる。

    PRISM に実行モードのデバッガを備える事により、中間のPRISMコンパイラによるソースコードの変換のし直しを省略し、 原因の発生した地点で停止させ、原因となったソースコードを点検出来るようになる。また例えばゴールの確率を表示させる事で、プログラムが満たす事を想定した確率的性質の検証が容易になる。

    一方マニュアルの英語化により、 国外にもPRISM使用者を作りだせれば、より広いコミュニティの中で本ソフトウエアを育成/流通するように出来るだけでなく、次世代AI技術の中核となる複雑性・不確実性を扱う技術の発展に寄与できる。


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