平成10年度 委託研究ソフトウェアの提案 |
研究代表者: | 田中二郎 教授 |
筑波大学 電子・情報工学系 |
| 氏名 | 所属 |
研究代表者 | 田中二郎 | 電子情報工学系 教授 |
研究協力者 | 飯塚和久 | 理工学研究科 2年 |
研究協力者 | 奥村穂高 | 理工学研究科 1年 |
研究協力者 | 藤山健一郎 | 情報学類 4年 |
9年度納入したソフトウェアでは、 KLIC と Java の間でデータを簡単にやりとりできるようなインタフェースを提供した。今回は、このインタフェースをより実用的にとするために、このインタフェースでのエラー処理部の強化を行ないたい。納入したプログラムでは、不正なデータを送った場合にそれ以降の通信ができなくなる場合がある。これを改善する事により、実用的なアプリケーションの利用に際して安心してインタフェースを使えるようにすることを目指す。
klic の視覚的インターフェース(klitcl)やJava のメッセージインターフェースに関しては、一応のマニュアルや例題などを添付して納品しているが、ユーザの立場に立った場合、 マニュアルをよりわかりやすくすると同時に、 例題や応用事例についてさらに整備をおこないユーザが自然に入っていけるようにする必要がある。そのために操作説明書や例題集の拡充を行なう。
また、すでに挙げた例題の改良も行なう。たとえば、「KLIC プログラムへデータを与える Java プログラム」において、データの入力をより簡単に行えるようにしたり、 KLIC 側から送られたデータの表示をよりわかりやすく表示できるようにする。
klicの視覚的インターフェース(klitcl) およびklic と Java のメッセージインターフェースを使う際の問題点は、技術的なものよりもむしろ心理的なものが多かったと考えている。したがって、マニュアルをよりわかりやすくすると同時に、 例題や応用事例についてさらに整備を行なうことによって、ユーザがより自然にklicの世界に入っていけるようになることが期待される。
また、GUIとklic を結合することにより、klicユーザにとっては、計算結果がすぐ目に見えるようになり、よりklicが魅力的となると思われる。
平成9年度の研究では、 KLIC と Java との間で通信を行うための基本的なインタフェースを提供した。しかし、 KLIC から Java のプログラムを利用する場合は、Java のオブジェクトを直接操作できるようになると非常に便利になる。この機能に関しては、9年度納入したソフトウェアでは実装されていなかった。このようなことを可能にするインタフェースを作成することにより、KLIC 側から、Java のインスタンスを生成し、それらのオブジェクトのメソッドを KLIC 側から直接呼び出せる機構を持つインタフェースが実現される。この機能を利用すれば、Java プログラムが簡単に利用できるようになり、KLIC を利用したアプリケーション開発の範囲が広がる事が期待される。
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