ーーーー平成10年度委託研究 概要一覧ーーーーー 1. IFS日本語(形態素)解析パッケージ・配布プロジェクトに関する研究 研究代表者 佐野 洋       東京外国語大学外国語学部 助教授   研究の概要 平成9年度、IFS日本語(形態素)解析パッケージ用インタフ       ェースを作成した。本研究では、インターフェースの充実       と多言語マニュアル(英語版)と中国語版(試用版)を作成し、       利用の一層の拡大を目指す。そのため、次のことを行なう。         (1) IFS日本語(形態素)解析パッケージ・Windows95/NT          用インタフェー スの改良         (2) IFS日本語(形態素)解析パッケージ・利用者指向マニュ          アルの多言語化(英語版および簡略中国語版) 研究の期間  平成10年6月16日から平成11年1月31日 研究従事者  高橋 作太郎  東京外国語大学外国語学部英米科教授        保屋野 アキコ 東京外国語大学外国語学部英米科4年        井上 勝義   東京外国語大学外国語学部中国語科3年 2. KL1のスレッド実行の高速化に関する研究 研究代表者 中島 浩       豊橋技術科学大学 情報工学系 教授   研究の概要 本研究では、これまでに確立した KL1 のスレッド化技術の発展       的研究を,適用範囲の拡大と性能の更なる向上を目的として行な       う。そのため、昨年度までの研究成果であるスレッド化のための       解析とスレッドの高速実行系をベースに,不完全なプログラム情       報に基づく解析と,プログラム変換によるスレッド実行の加速を       行なう。 研究の期間  平成10年6月16日から平成11年1月31日 研究従事者 大野 和彦  豊橋技術科学大学情報工学系情報工学専攻 助手       杉山 奈美代 豊橋技術科学大学情報工学系情報工学専攻 修士課程2年  3. Java-MGTPと高度推論機構の開発に関する研究 研究代表者 長谷川 隆三       九州大学大学院システム情報科学研究科 教授   研究の概要 本研究では、Java-MGTPの改良と並列化を目的とする。       そのため、GUIシステムの拡充と利用者の利便性を高める諸機       能(ヘルプ機能、マニュアルなどのドキュメント類の充実、イン       ストーラの充実)の実装を行なう。さらに高速化技法として、       弁別木インデックスや節インデックス機構などを標準的に採り       入れる。また、Java言語のマルチスレッド機構を用いたJava-       MGTPの並列化を行なう。この他に、A*アルゴリズムや遺伝的       アルゴリズム(GA)による探索制御機能を付加したA*-MGTPや       GA-MGTPを汎用的な推論エンジンとして提供する。 研究の期間  平成10年6月16日から平成11年1月31日 研究従事者  藤田 博   九州大学大学院システム情報科学研究科 助教授        越村 三幸  九州大学大学院システム情報科学研究科 助手        井上 勝二  九州大学大学院システム情報科学研究科 M2        高井 真志  九州大学大学院システム情報科学研究科 M2        中田 健浩  九州大学大学院システム情報科学研究科 M2        中山 英俊  九州大学大学院システム情報科学研究科 M2        永重 務   九州大学大学院システム情報科学研究科 M2 4. 帰納論理プログラミングによるデータマイニングエンジン Datagolに関する研究開発 研究代表者 古川 康一       慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 教授   研究の概要 本研究は、表現力に富みかつ効率の良い帰納論理プログラミン       グに基づくデータマイニングエンジンを開発することを目的と       する。そのため、仮説および背景知識の表現言語として、任意       のPrologプログラムに代えて、Datalogプログラムのみを許す       ようにする。リスト表現の扱いを可能にするために、条件付で       のリストの使用を許すように、その表現力を拡張する。さらに、       表現言語をDatalogに限定した場合での、効率的な帰納推論ア       ルゴリズムの開発を行なう。 研究の期間  平成10年6月16日から平成11年1月31日 研究従事者 向井 国昭   慶応義塾大学 環境情報学部       清木 康    慶応義塾大学 環境情報学部       嶋津 恵子   慶応義塾大学 大学院 政策・メディア研究科       尾崎 知伸   慶応義塾大学 大学院 政策・メディア研究科       植野 研    慶応義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 5. Applying Constraint Logic Programming Languages for Modelling Multi-objective Decision Making under Uncertainty (John Darlington、Imperial College (英)) 6. Distributed Constraint Solving for Functional Logic Programming (Bruno Buchberger、RISC Linz(オーストリア)) 7. WEB-KLIC software (Enrico Pontelli、New Mexico State University、U.S.A.) 8. klicの視覚的インターフェース(klitcl) および klic と Java のメッセージインターフェースに関する研究 研究代表者 田中 二郎       筑波大学 電子・情報工学系 助教授 研究の概要 本研究は、klicの視覚的インターフェース(klitcl) およびklic       と Java のメッセージインターフェースに関して、マニュアル       の整備やソフトウェアのブラッシュアップを目的とする。       そのため、klic の視覚的インターフェース(klitcl) に関しては、       ユーザの立場に立ってマニュアルをわかりやすくすると同時に、        例題や応用事例を整備する。klic と Java のメッセージインタ       ーフェースに関しては、ソフトウェアの機能拡張を含む操作性の       向上をはかると同時に、操作説明書や例題集を整備する。 研究の期間  平成10年6月16日から平成11年1月31日 研究従事者 飯塚 和久  筑波大学理工学研究科2年       奥村 穂高  筑波大学理工学研究科1年       藤山健一郎  筑波大学電子情報工学系情報学類4年 9. 集合制約ソルバーに関する研究 研究代表者 佐藤 洋祐       立命館大学理工学部情報学科 教授   研究の概要 本研究は、集合ブール環上の多項式環におけるグレブナー基底       の計算アルゴリズムをVon Neumann regular ring 上の多項式       環におけるグレブナー基底に関する 提案者の理論に基づいた並       列アルゴリズムに書き換えることを目的とする。このアルゴリ       ズムは、ブール方程式の解法においてノントリビアルな並列計       算の可能性をもたらす画期的な方法である。 研究の期間  平成10年6月16日から平成11年1月31日 研究従事者 高山 幸秀   立命館大学理工学部情報学科       三橋 元洋   立命館大学大学院理工学研究科       天野 淳   立命館大学大学院理工学研究科       山崎 栄二   立命館大学大学院理工学研究科       西川 寛人   立命館大学理工学部情報学科       山口 淳   立命館大学理工学部情報学科 10. ゴールに依存した抽象化を用いた法的推論システムの開発に関する研究 研究代表者 角田 篤泰       北海道大学法学部講師 研究の概要 本研究は、ゴールに依存した抽象化(GDA)の枠組に基づき、       法律の目的に依存して類推を行う推論システムを提供し、法律       問題の実例への適用を試みることを目的とする。       そのため、GDAに基づく法的類推システムにGUIを加え、       操作性の向上を図るとともに、実験で用いた現実の判例に基づ       く例題を解説、添付する。さらに、初心者への導入資料、GUI       部品の内部仕様書も提供する。 研究の期間  平成10年6月16日から平成11年1月31日 研究従事者 研究代表者のみ 11. 学習機構内蔵型プログラミングシステム PRISMに関する研究 研究代表者 佐藤 泰介       東京工業大学大学院 情報理工学研究科 教授     研究の概要 本研究は、PRISM にデバッガを実装すると同時に、PRISMの       マニュアルの英訳版を作成することを目的とする。そのため、       PRISM は汎用の統計的-記号処理モデルを提供するが、現在       PRISM にはデバッガがなく、デバッグの為の手間が大きい。       そこで、PRISM の特性を考慮したデバッガを開発し、プログ       ラムの確率的性質に関する情報も表示出来るようにする。       また、PRISM の日本語マニュアルを英訳することにより、       PRISM の英語世界への普及を進める。 研究の期間  平成10年6月16日から平成11年1月31日 研究従事者 亀谷 由隆  東京工業大学大学院情報理工学研究科 (D2)       上田 展   東京工業大学大学院情報理工学研究科 (D1)       石丸 浩   東京工業大学大学院情報理工学研究科 (B4) 12. 制約処理系を利用した図形描画システムに関する研究 研究代表者 五十嵐 健夫       東京大学情報工学専攻博士課程 学生 研究の概要 既存の描画エディタ上で正確な図形を描くためには、様々な       編集操作を組み合わせて使用しなければならず、特に初心者       にとって困難である。本研究の目的は、初心者でも簡単に       幾何学的図形を描くことのできる手法を提案することである。       そのため、手書き図形から自動的に幾何学的関係を認識し整       形する機能や、画面上の図形から次の描画操作を予測し提示       する機能等を提案し、プロトタイプを実装することにより有       効性の確認を行う。 研究の期間  平成10年6月16日から平成11年1月31日 研究従事者 田中 英彦  東京大学情報工学専攻 教授       松岡 聡   東京工業大学数理・計算科学専攻 助教授 13. DJ: Javaに基づく制約言語とシステムに関する研究 研究代表者 周 能 法       九州工業大学 助教授   研究の概要 DJ は,制約プログラミングを可能としたJavaの拡張である。       本研究は、平成9年度に作成したDJコンパイラをより丈夫で、       使いやすいシステムにフラッシュアップすることを目的とする。       そのために、次のことを行なう。        1)ベースクラスとベース制約を拡張し、多くの問題を記述          しやすくする。        2)定理証明器のGUIと時間割り作成との二つの応用プログラ          ムを構築し、DJの実用性を示す。        3)DJを使いやすくするために、例題集を作成し、OF-1Y          を充実させる。 研究の期間  平成10年6月16日から平成11年1月31日 研究従事者 藤田 憲悦   九州工業大学       兼子 聰介   九州工業大学       山内 講二   九州工業大学 14. 並列ビジュアルプログラミング環境 KLIEG の利用性の向上に関する研究 研究代表者 柴山 悦哉       東京工業大学 情報理工学研究科 助教授   研究の概要 本研究は、並列ビジュアルプログラミング環境 KLIEG の利用可       能性を向上させることを目的に、ドキュメントおよび例題集の       整備を行なう。主として国外からの利用を促進するために,英文       ドキュメントの整備を行なう。具体的には,ユーザズガイドの改       定および英語版の作成,新規技術文書の追加 を行なう。また,       KLIEG 環境でのプログラミングをユーザが学習するための手助け       として,例題集の拡充を行なう。 研究の期間  平成10年6月16日から平成11年1月31日 研究従事者 高橋 伸   東京工業大学大学院情報理工学研究科       志築文太郎  東京工業大学大学院情報理工学研究科       豊田 正史  東京工業大学大学院情報理工学研究科 15. 協調ロボットプログラミング言語/システムおよび   移動ロボットの並列協調制御ソフトウェア   に関する研究 研究代表者 溝口 文雄       東京理科大学理工学部経営工学科 教授   研究の概要 本研究は、平成7、8年度委託研究「協調ロボットプログラミ       ング言語/システム開発」及び平成9年度委託研究「移動ロボ       ットの並列協調制御ソフトウエアの研究開発」で開発したマル       チエージェントロボット言語MRLを対象にしたブラッシュアッ       プを行なうことを目的とする。そのため、MRLのセマンティク       スの定義とマニュアルの整備,MRLの仕様記述形式とプログラ       ム開発ツールの開発,ロボティックエージェント共通のインタ       ーフェースとプログラム集の作成,WWW上でのMRLプログラ       ムの実行を指定するスクリプト言語の開発を行なう. 研究の期間  平成10年6月16日から平成11年1月31日 研究従事者 大和田 勇人  東京理科大学理工学部経営工学科 講師       西山 裕之   東京理科大学理工学部経営工学科 博士課程2年       平石 広典   東京理科大学理工学部経営工学科 博士課程1年 16. KL1プログラム静的解析系に関する研究 研究代表者 上田  和紀       早稲田大学理工学部情報学科 教授 研究の概要 KL1プログラム静的解析系 klint 第2版は、プログラム診断       と処理系最適化への応用を目的に作成したソフトウェアである。       本研究では、その出力形式改善と機能改良とを行ない、これら       の応用分野の今後の研究開発に資するものにすることを目的と       する。そのため、klint 第2版の出力形式の改善および出力型       式の制御機能の追加を行なうとともに、プログラムの可読性の       向上を図る。また、既開発のプログラムのバグ診断アルゴリズ       ムをklint第2版に統合する。 研究の期間  平成10年6月16日から平成11年1月31日 研究従事者 網代 育大  早稲田大学大学院情報科学専攻 17. KLIC への世代方式ガーベジコレクタの導入に関する研究 研究代表者 近山 隆       東京大学工学系研究科電子工学専攻 教授    研究の概要 本研究は、KLIC に世代方式のガーベジコレクタ (GC) を導入       することによって、性能向上を実現することを目的とする。       世代方式のガーベジコレクタ (GC) とは、比較的長時間保持さ       れているデータと、最近割付けたデータに対して、異なる頻度       でガーベジコレクションを行なうGC方式である。この方式を       KLICのGCに採用することにより、GCのオーバヘッドを軽減し、       また、頻繁にアクセスするメモリ領域を小さく保つことによっ       てワーキングセットを縮小、全体的な性能向上を実現する。 研究の期間  平成10年6月16日から平成11年1月31日 研究従事者 吉川 隆英  東京大学工学系研究科情報工学専攻 18. 最尤法を用いた分子進化系統樹作成プログラムDeepforest に関する研究 研究代表者 斎藤 成也       国立遺伝学研究所進化遺伝研究部門 助教授   研究の概要 本研究は、分子進化的解析システムDeepForestを一般の利用者       が使えるように操作説明書を整備すること、またKL1の知識を持       っていなくてもアプリケーションプログラムを自力で作れるよう       に,簡単なKL1のプログラムを含めた例題集を作成することを目       的とする。       分子進化的解析システムDeepForestの現在のドキュメントは       LaTeXファイルで15Kバイト程度であるが、この約2倍程度の       量で、提供されるすべての述語についてその説明と例題を盛り込       む。 研究の期間  平成10年6月16日から平成11年1月31日 研究従事者 太田 聡史  国立遺伝学研究所進化遺伝研究部門 19. 階層連立1次方程式のための制約解消系パッケージ HiRise   (HiRise制約解消系)の改良と移植に関す   る研究 研究代表者 松岡 聡       東京工業大学大学院情報理工学研究科 助教授    研究の概要 本研究は、HiRise制約解消系の現バージョンにおける2つの       問題点の解決と,Javaへの移植による利用性の拡大を目指す。       現在のHiRise制約解消系では,内部的に全ての制約の優先度       が全順序になっているために,問題が生じることがある。       この問題を,複数の制約を真に同じ優先度で指定する機能と,       “AND”で組み合わせる機能を追加することで解決する。       また,現在のC++で書かれたコードをJavaへ移植することで,       その制約解消系としての利用性を拡大する. 研究の期間  平成10年6月16日から平成11年1月31日 研究従事者 細部 博史  日本学術振興会 特別研究員(PD)              東京大学大学院 理学系研究科 情報科学専攻