平成10年度 委託研究ソフトウェアの中間報告

(14)並列ビジュアルプログラミング環境 KLIEGの使用性の向上

研究代表者:柴山 悦哉 助教授
東京工業大学


研究テーマ、研究代表者:

(1)研究テーマ

並列ビジュアルプログラミング環境 KLIEG の利用性の向上

(2)研究代表者(氏名、所属、役職)

柴山悦哉
東京工業大学 情報理工学研究科、助教授

報告項目

(1) 研究の目的

並列ビジュアルプログラミング環境 KLIEG の利用可能性を向上させるために ドキュメントおよび例題集の整備を行う。具体的には,(1) 日本人以外の利用 者のために英文ドキュメントの充実を行う,(2) 例題として簡単なフレームワー クの作成を行う,(3) パソコン上での利用を可能とするために Linux 版のリ リースを行う。

(2) 研究の進捗状況

ソフトウェアの改良・整備に関しては,Linux 版のリリースに向けたコードの 整理および実行速度向上のためのチューニング作業を行っている。また,ハイ パーテクストを用いたドキュメントシステムをビジュアルプログラミング環境 に統合する実験も行っている。ただし,この機能については,1月中にリリー ス可能となるかどうか微妙な状況である。この他に,使い勝手を向上させるた め,若干ではあるが,ユーザインタフェースの設計を見直す作業を行っている。

ドキュメントの整備に関しては,パターン指向の可視化技術に関する英文ドキュ メントを作成した。また,マニュアルの日本語版でのみ提供されていた資料の 翻訳作業を行っている。

例題集の充実に関しては,探索問題を解決するためのフレームワークを設計中 であり,近日中に実装に取りかかる予定である。

(3) 現在までの主な成果

昨年度のソフトウェア成果である KLIEG ver 3.0 (Solaris版)とほぼ同等の機 能を有する Linux 版が安定して動作している。ただし,Linux 版のためのド キュメントの改定作業はまだ行われていない。

パターン指向可視化技術に関する技術資料の英文版を作成した。

(4) 今年度目標成果ソフトウェアイメージ

本研究の主たる目的は,単純にソフトウェアのコードを改良することではなく, ドキュメントなどの周辺環境を整備することにより,結果的としてソフトウェ アの使い勝手を向上させる点にあることを注意しておきたい。

直接的なソフトウェア成果としては,Linux 版のリリースによりパソコンでの 利用が可能となる。特に,一般的なノートパソコンでの利用が可能となること により,モバイル環境での利用可能性が大幅に向上する。

さらに,主として英文のドキュメントを改良・追加することにより,国外ユー ザにとっての利便性が向上する。また,簡単なものではあるが,フレームワー クの実例を追加することにより,KLIEG のコーディングスタイルがより明確と なる。


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