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制約の優先度に関する制限の緩和

昨年度版のHiRise 制約解消系では,同じ強さの制約が矛盾し合うときに, 好ましくない解き方をすることがあった.これは,HiRise が基盤とする制 約理論である階層連立1次方程式において,制約の優先度が全順序になってい るために,外部的に(制約階層で)は強さが同じであっても,内部的に(階層連 立1次方程式で)は優先度が異なるために生じる制限である.これは,実際にア プリケーションを使っている際に,水平または垂直に近い直線上に制約された オブジェクトのドラッグが困難になるといった問題を起こすことがあった.

このような問題を解消するために,本来の制約階層理論 [1]では,例えば,同じ強さの制約 の間で最小2乗法を適用するような解の決め方を提供していた.しかし,現実 的には,効率を低下せずに,HiRise に最小2乗法のような大域的な処理を導 入することは困難である.

しかしながら,HiRise が主に2次元GUIを対象としていることを考えれば, 組になっていると見なせる2つの制約だけを真に同じ強さで指定できるようす れば,実用上は十分である.このような観点から,本研究では,最小2乗法な どを利用せずに,優先度に関する制限を緩和する手法を試みた.



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