平成9年度 委託研究ソフトウェアの提案 |
研究代表者: | 近山 隆 教授 |
東京大学 工学系研究科 電子工学専攻 |
今回提案する研究の範囲では大規模応用システム等に対しての評価を 行なうことは時間的に困難であることから, 限定された範囲のプログ ラム (ベンチマークプログラムなど) についてのみ行なう。
氏名 | 所属 | |
研究代表者 | 近山 隆 | 東京大学 |
研究協力者 | 宇佐 治彦 | 東京大学 |
この過程中のステップ (4) において要求駆動スケジューリングでは十分な
性能を得られないことが判明した場合, その後のステップを踏むことには大き
な意味がない。また, ステップ (4) で十分な性能が得られることがわかった
場合でも, 処理系の全面的な再構成を伴う全ステップを1年間の研究期間内に
すべて完了することは困難である。
このため, ここに提案する1ヶ年に渡る研究においては, 上述の研究ステッ
プのうち (1)〜(4) を行ない, ステップ (5) については:
基本的に KLIC と同様の機能を提供する。すなわち, 与えられた KL1 プロ グラムを動作させるために必要な諸機能すべてを提供する。ただし, 試作処理 系であるため, 一部機能においては省略があり, すべての KL1 プログラムが 動作するわけではない。また, 本来なら提供すべき機能の一部については, 既 存のソフトウェアを利用する, ユーザが情報を供給するなどの手段で代替する 可能性がある。たとえばプログラムの静的解析系については, 可能なら既存の 解析系を利用, あるいは解析結果にあたる宣言をプログラム中に記述する方針 をとる可能性がある。また, 実行時システムについては KLIC の提供する実行 時システムを一部流用する可能性がある。
以下のふたつの役割が考えられる。
KLIC とは異なる要求駆動のスケジューリング方式を持つため, 同じプログラ ムに対して KLIC とは異なる順で実行する。上述のようにこれは自動資源配分 を行なう並列論理型システムのベースとして手続き駆動スケジューリング方式 をとる KLIC よりも優れていると考えられる。また, 自由な実行順を持つ並列 論理型言語の研究において, 新たなスケジューリング方式に基づくシステムは, 新たなさまざまな処理方式の実験のベースとしても役立つ。
システムは以下のようなモジュールからなる。
このシステムをそのままの形でより大きなシステムの一部として利用すること は考えにくい。しかし, 将来自動資源配分を行なう並列論理型言語システムを 構成する際には, そのベースとして利用できる可能性が高い。
本システムは KLIC を拡張したものではないが, KLIC と同様の機能を提供す るものであり, 実行時システムなどの一部を流用する可能性も高い。このため, KLIC に要求駆動方式スケジューリング機能を付加したものと見ることもでき る。
(a) 通常の KL1 処理系として KLIC に代わるものとして
(a) 要求駆動であることから不要な計算を行なわないので, 不要な計算を含 むプログラムも効率良く実行でき, 種々の計算が必須である計算とそう でない計算が絡み合ってあらかじめ判定が困難であるような複雑なアル ゴリズムの記述にあたって, プログラム構成が容易になる。
(b) 自動資源配分を行なう並列論理型言語システムを構築する場合, 従来の 手続き駆動の処理系をベースにするよりもはるかに容易に構築できるも のと期待できる。
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