平成9年度 委託研究ソフトウェアの中間報告 |
研究代表者: | 古川 康一 教授 |
慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 |
仮説探索アルゴリズムにおける候補仮説の評価に関しては、MGTPを用 いたボトムアップ計算に基づくアルゴリズムの精密化を行なった。 またProgolの最新版が実現しているノンホーンの最弱仮説の生成に関 して、理論的な考察を行ない、制約付きMGTP(CMGTP)の適用について 検討を行なった。さらに、ユーザインターフェースを、単なるGUIで はなく、デバッグツールとして捉え、その開発を行なっている。
現在、アルゴリズムの検討をほぼ終了し、実装に向けての詳細設計お よびKLICやJAVA言語を使った実装に着手したところである。
ノンホーン最弱仮説の生成について、そのアルゴリズムの検討を行な った。その過程で、部分評価(Partial Evaluation)やアブダクショ ンが重要な役割を果たすことが確認された。現在のProgolは、Prolog Technology Theorem Proverを利用しているが、それに代わるもの としてCMGTPを取りあげ、これを利用したノンホーン最弱仮説の生成 に関する考察を行なった。
また、ILPの基礎理論の研究として、帰納推論とアブダクションの関係 について理論的考察を行ない、アブダクションを利用した新述語導入 に関する考察を行なった。
推論エンジンは、CMGTPを利用したノンホーン最弱仮説の生成、及び 効率的な最適仮説探索機能を中心に開発を行なう。さらに、仮想的に 外部データベースを想定し、これとMGTPとのインターフェースをとる ことで、より大規模な問題に適用できるよう設計、実装を行なう。
またユーザインターフェースは、事例、背景知識の補完機能を中心に、 デバッギングツールとして開発を行なう。