next up previous
Next: 研究の内容 Up: 並列アクティブデータベースにおけるI/O処理の高速化 Previous: 並列アクティブデータベースにおけるI/O処理の高速化

研究の背景と目的

現在、コンピュータが最も多く使われている分野は、言うまでもなくビジネス分野で あり、処理データ量の増大に伴い並列処理による処理性能の強化が望まれている。ま た、今後、知識処理による柔軟かつ高度なシステム構築もビジネス分野の重要な課題 であり、ますます高い処理能力が要求される。

特にデータベースの分野において、最近注目されているアクティブデータベースは、 アクティブルールによりデータベース処理を能動的に起動することのできるシステム である。論理の拡張としての演繹データベースとは機構的に異なり、人工知能におけ るルールベースシステムとデータベースシステムの融合といった側面を持つ。動的な 経営判断や株の動向解析等のOn-Line Analytic Processing(OLAP)への利用も可能な ことから、ビジネス分野でも注目されている。また、これまでのルールベースシステ ムとは異なり、頑健なデータベースに対してルール処理を適用することから、データ の一貫性を硬く維持しなければならないという、ビジネス分野でのデータベースに対 する要求にも合致する。

これまで、我々が研究開発してきたKLICによる並列アクティブデータベースParade ( PARallel Active Database Engine)は、これからのビジネス分野に要求され る高負荷トランザクション処理やクライアントインタフェース、アクティブルール処 理に対して、KLICの並列プログラムの記述能力や移植性を実証してきた。しかしなが ら、データベースとしての実用的な処理速度という面で、ディスク上のデータをアク セスする際に、I/Oがボトルネックとなることが分かってきた。

そこでこのプロトタイプシステムの処理速度を改善するため、KLICのジェネリックオ ブジェクトを用いたページ単位I/Oの実現と、更新に対しても効率のよい並列ディレ クトリ構造の検討を行なう。これは、並列論理型言語KLICの拡張性や並列処理記述能 力の高さを実証するとともに、その応用の広さを示し、第五世代技術の普及と発展に 貢献することに結び付くものと思われる。



next up previous
Next: 研究の内容 Up: 並列アクティブデータベースにおけるI/O処理の高速化 Previous: 並列アクティブデータベースにおけるI/O処理の高速化



www-admin@icot.or.jp