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HiRise アルゴリズム

本節では,HiRise 制約解消系のために設計した制約解消アルゴリズムについ て述べる.

GUI のための制約階層解消系を作成するには、既存の解消系との互換性のために、 以下のような点を考慮する必要がある。

前節で述べたように、制約階層を HLS に変換して、元の制約階層の locally-error-better 解を求めることが可能である。また、stay 制約と edit 制約は 1 次方程式として表現できる。従って、HLS を用いることにより、 最初の 2 点は対処できる。

プランニング段階と実行段階の分割は、係数行列を LU 分解することにより実現 している。edit 制約による変数の値の更新は、拡大係数行列 ( A c ) の定数項部分 c のみに現れるため、変数の値を更新しても係数行列 A の LU 分解をし直す必要がないためである。従って、HiRise では、プランニング段階 で拡大係数行列の作成とLU分解を行い、実行段階で変数の値の計算を行う。

さらに、プランニング段階の効率化のため、制約の追加・削除の際に インクリメンタルな制約解消を行うgif。 このためには、以下の2点を考慮する必要がある。

解くべき制約の管理には、 DeltaBlue [4]で提案された walkabout strength を応用した。これは、多くの局所伝播法アルゴリズムで 効率化の核となっていた技術である。HiRise は walkabout strength を 採用した最初の数値的アルゴリズムであり、これは局所伝播法のアイデアが数 値的アルゴリズムでも有効であることを示したものといえる。

一方、LU 分解の修正には,線形計画法のために考案された Forrest と Tomlin の 方法[3]を応用した。



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