Next: 研究の成果
Up: 「MGTPにおける推論制御と探索問題への適用」に関する成果概要
Previous: 研究の目的
本研究において,MGTPの推論制御機能の充実と探索問題への応用を図る.
研究内容は,以下の流れに沿ったプログラム開発が中心である.
- Depth-First Iterative-Deepening 探索による MGTP の停止性の向上
MGTPにおける推論の流れは証明木によって表すことができる.この証明木を
探索する際,既存のMGTPでは3つの戦略[1]のいずれもが,
深さ優先探索によって探索を進めていくので,
証明木が無限長の枝をもつ場合などには停止性が保証されない.
そこで,MGTPの探索戦略を今までの深さ優先探索から, DFID探索
(Depth-First Iterative-Deepning search, 反復深化深さ優先探索) [5]
に変更することにより,推論の効率化を図りMGTPの停止性を向上させた.
また,従来のMGTP (ALP-MGTP)とDFID探索を用いたMGTP (DFID-MGTP)を
比較し,停止性の向上および,実行時間の変化を確認した.
- 最適化問題への応用
DFID探索を用いた応用として,これまでの MGTPでは取り扱われていない
コストのついた探索問題を解決するためにMGTPを拡張する.
拡張MGTPでは,入力節のシンタックスとして,選言肢にコストを付加した
コスト付non-Horn節を採用し,これを汎用の論理型プログラミング言語と
して考える.探索問題や最適化問題はこのプログラミング言語上で宣言的に
記述される.この応用として,最短経路問題を始めとして,巡回セールスマン
問題などのグラフの組合せ最適化問題を解く.
- 最適化問題の効率化
上記最適化問題を効率良く解くためには,コスト最小の最適解を発見できる
探索方式を実現するだけでは不十分である.そこで,MGTP上の推論制御方式
として既に提案されている Non-Horn Magic Set (NHM) 法[2]を
併用する.NHMを用いることで,ゴール(目標述語)に関係するボトムアップ
推論のみに絞ることができ,そこで発生するサブゴールに対して,
コストに基づいて BFID 探索(Best-First Iterative-Deepening search;
反復深化型最良優先探索)を行う.BFID 探索はIDA* (Iterative-Deepening A*)
のように,DFID探索のメモリ効率・停止性と最良優先探索の最適性の両方の
利点を兼ね備えた探索方式として提案する.この探索方式を用いて,
ゴールのコストが最小となる推論パスを効率良く発見するための拡張MGTPが
整備される.
Next: 研究の成果
Up: 「MGTPにおける推論制御と探索問題への適用」に関する成果概要
Previous: 研究の目的
www-admin@icot.or.jp