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おわりに

本研究では, コンパイル時に静的解析を行うことにより, KL1 プログラムを要 求駆動型で効率良く実行できることを確認することを目的として,静的解析方 式と実装方式を提案し, 実装, 評価を行った. その結果, 提案したアルゴリ ズムによって要求駆動ゴールを判定した場合には, 大きいオーバーヘッドが生 じることはなく,要求駆動型実行によって, 実行時間はオリジナルの 2.5 倍以内, 消費メモリは問題サイズによらず一定 という性能が達成され, 実行時間または消費メモリ量が他のスケジューリングよりも改善されることを 確認した.

前節の C 関数単位のプロファイル結果からわかるように, 制御切替え (suspend) のコストが大きく, プログラム実行時間の約半分を占めることもあ る. そのため, 要求駆動ゴールをある程度投機的に, 例えば, generator プ ロセスを 1 段ずつ走らせるのではなく, 数段〜数十段まとめて実行させると いった方式の導入が有効であると考えられる.

今後は, 大規模な実用プログラムや, 複雑な通信を行なうプログラムなど, 様々 なプログラムを対象にして評価を行なう必要があるだろう. その結果によっ ては, プログラムやデータの再帰構造を考慮した, 更に精度の高い解析を行な う必要があると考えられる.



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