MGTP に最良優先探索およびA*アルゴリズムの機能を追加した。これら一般的 探索手法は、評価関数に基づくモデル候補選択機構を導入することにより、い ずれも簡単に MGTP の機構内で実現可能である。Rubik's cubeなどのパズル問題 に対して適用し、MGTP が探索ベースの一般問題解決器として有 効に利用できることを確認した。
また、準最適解の探索に有効とされている遺伝的アルゴリズム(GA)の導入を 検討した。 具体的には、MGTP のモデル候補中のアトムを個体、 MGTP 入力節によるモデル候補拡張過程を世代交代プロセスとみなした上、 さらに、 (1) 遺伝子および染色体のデザイン、 (2) 交配、突然変異の計算、 (3) 適応度関数の計算、 を MGTP の外部呼び出し機構を利用して実装した。
Rubik's cube問題 このアプローチに基づき、すでに、ベンチマークのTPTP問題集から condensed detachment と呼ばれるクラスの問題を選んで予備実験を行った結果、 通常の MGTP による証明より短い証明が得られることが判っている。
今回は別のアプローチとして、存在記号つき命題の証明に関し、 GA によって存在変数への適切な具体値を発見するという手法の検討を行った。 パズル問題における効果について実験評価を行い、有効性を確認した。