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研究の背景と目的

情報化社会の発展により、様々な分野で高度な自然言語処理を望む声が増大し ているが、現在の自然言語処理技術は、分野を限定しない一般の自然言語文に 対して正確かつ高度な解析を実現できるまでには、成熟していない。とはいえ、 分野を限定し、その分野の言語的特徴を活用するならば、高度な言語処理シス テムの実現は、現在の技術でも十分に可能と考えられる。ある特定分野の言語 的特徴を活用する場合、それを制限言語モデルとして構築し、それに基づく言 語処理システムを作成するのが効果的である。しかしながら、制限言語モデル 構築の方法論は、まだ確立されているとは言えない。よって、高度自然言語処 理システム実現のためには、制限言語モデル構築技術の確立が急務と言える。

本研究は、その目的として、次の二つの側面を持つ。

一つには、制限言語モデルによる高度な自然言語処理技術の開発である。本研 究では、限定された分野の研究対象例として、法律文を取り上げる。法律文は、 言語表現に強い制限を持っており、法的概念と言語表現との間に密接な対応が 存在する。そのような法律文を制限言語として捉え、「法律文制限言語モデル」 とそれに基づく実験システムを作成し、その機能を検証する。

もう一つには、法律文言語処理システム開発の過程を通して得られる経験に基 づいた、高度言語処理システム開発の支援環境の構築である。法律文に限らず、 制限言語に基づく高度言語処理システムの実現には、対象領域の言語的特徴の 調査・分析等に、非常に多くの労力を必要とする。そのような作業を適切に支 援する環境があれば、開発作業の効率化により、高度言語処理システムの実現 を早めることができる。



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