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研究上の成果
本研究では、以下の成果を得ている。まず、CMGTPとKLICとCLP(FD)との三つの
言語を用いて、チャネルルータを構築し、本研究ではじめてCLP(FD)がチャネ
ルルーチング問題に十分応用できることを示した。この成果を以下の論文にま
とめてある。
- Neng-Fa Zhou, Channel Routing with Constraint Logic Programming,
Manuscript.
そして、CMGTPをKLIC及びCLP(FD)と比較して、それの利点と欠点を明らかにし
た。CMGTPには、非ホーン節までを含むルールの記述が簡単である利点を持っ
ている。不動点を求める手続きが処理系の中に組み込まれているため、プログ
ラマはループを記述する必要はない。この利点より、CMGTPは自然演繹に基づ
く定理証明システムの構築には力が発揮できる。しかし、制約充足問題を解く
のに、CMGTPは以下の欠点を持っている。
-
CMGTPは、最初解、あるいは最適解を求めるのには不適切である。特に、解が
たくさんあるような問題には不適切である。この問題に対処するために、
Hahnleと白井らが区間表現をサポートできるIV-MGTPを構築した。探索の中間
状態及び解を別別のファクトとして表現するのではなく、区間を用いて表現す
ることによって、探索空間を縮め、解をもっとコンパクトに表現できる。
-
コンパイルに時間がかかる。CMGTPは、プログラムをKLICに変換してから実行
している。 ルールの左辺に連言リテラルがたくさんあると、生成されたプロ
グラムは膨大となる。この問題に対処するために、九大の長谷川研では、プロ
グラムを直接実行するインタプリタを構築している。
ソフトウエアとしての成果
- route.mg4 : CMGTPのプログラム(50行)
ネット数が10である問題を解くプログラムである。これは、CMGTPのベンチマー
クとして使える。
- route.kl1,deutsch72.kl1,deutsch218.kl1 : KLICのプログラム (プロ
グラム220行+データ300行)
二つのモジュールからなる。一つは、問題に依存しない探索の部分で、もう一
つは問題における接続要求及びチャネルを記述する部分である。
- route.pl,deutsch72.pl,deutsch218.pl : CLP(FD)のプログラム (プロ
グラム430行+データ300行)
このプログラムでは、問題の記述以外に、バックトラック回数を減らすために、
以下の工夫を行なっている:(1)問題依存のHeuristicsを用いている。(2)
グローバルな制約を生成している。例えば、X>YとY>Zとの二つの制約があ
る場合に、X>Z+1という新しい制約を追加し、枝苅り効果を向上させる。
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