平成7年度 委託研究ソフトウェアの中間報告

(2) KLIC の視覚的インターフェースに関する研究

研究代表者:田中 二郎 助教授
      筑波大学 電子・情報工学系


[中間報告]

1)研究進捗状況
klic のTcl/Tkインターフェース klitcl(クリティカル)に関しては、 現在、klic部分とTcl/Tk部分とのインターフェース仕様をほぼ確定 した状態にある。すなわち、klicからTcl/Tkを呼ぶための述語や、 逆に Tclからklicを呼ぶための形式について定め、その試験的な実 装を開始している。

また、klitclの開発と並行する形で、klicを基礎にしたビジュアル プログラミングシステムの検討を Tcl/Tkを用いて行なっている。 ここでは、システムを 既存のテキストベースの klic処理系に寄生 させて実現し、図形言語と既存言語との共存を計ることを目的とし ている。

klicを基礎にしたビジュアルプログラミングシステムの検討は、今 のところ順調に行なわれており、システムにおいて、複数の定義節 を同時に入力するための枠組、また、入力の際、重要な役割を演ず るUndo機能などについて検討を行なっている。

2)現在までの主な成果
現在までの主な成果であるが、klic の Tcl/Tk インターフェース klitclに関しては、インターフェース仕様をほぼ確定した。また、 klicのビジュアルプログラミングシステムに関しては、Undo機能の 検討を行ない、Historical UndoとTree Undoの二種類のUndoを試験 的に実装した。

3)今後の研究概要
klic のTcl/Tkインターフェースklitclは、 (1)klicからTcl/Tkを呼ぶための述語をサポートする部分、 (2)Tclからklicを呼ぶためのメカニズムを実現する部分、 (3)klicの構文と Tclの構文を相互に変換する部分、 (4)Tkとklicの間でイベントをやりとりする部分 などからなるが、現在、(1),(2)の仕様が定まった状態である。3月 末までにこれらすべてに対し、仕様を決定し、試作を完了させたい。 klicのビジュアルプログラミングシステムに関しては、今後、Undo 機能について考察を深めるとともに、特にアニメーション技法のプ ログラム実行への使用について検討を行なっていく。

4)今年度目標成果
klicのTcl/Tkインターフェースについては、必ず今年度中に使える ものをソフトウェアの形でリリースしたいと考えている。これによ り、 klicとGUIが結合され、klic ユーザはGUIを用いるアプリケー ションを手軽に書くことが可能となる。

また、klicのビジュアルプログラミングシステムに関しては、今年 度中に仕様を確定し、システムのいくつかの部分につき、部分プロ グラムの試作を行なうことを目標としている。



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