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(2)ソフトウェアとしての成果

 

本ロボット言語は、環境監視モジュール、実行制御モジュール、実行計画モジュールが存在し、 PVMを用いることにより、それぞれのモジュールまた、それぞれのロボットは、UNIX上で並列実行可能となる。

 
図: ソフトウェア構成の概要

それぞれのモジュールのプログラム行数は以下のとおりである。

本ロボット言語では、簡単な記述により、それぞれのモジュールを呼び出すことが可能である。

環境監視モジュール
 
 環境監視モジュールでは、現在の作業環境が表されているファイルを常に読んでいる。 これにより、作業環境に変化があった場合、ストリーム通信により他に知らせる。

実行制御モジュール
 
 実行制御モジュールでは、ロボットを直接制御しているC言語により作成されたプログラムとソケット通信を行なうことでロボットを制御する。 指定したロボットに対して、コマンドリストの先頭から1つずつコマンドが処理される、

またこの実行制御モジュールは、次のような機能を持っている。

実行計画モジュール
 
 ユーザが作成したプログラムを実行し、その中でロボット間の交渉が発生すると、 指定したロボットに対して、mergeを用いて、交渉相手のロボットに交渉内容を 伝えるモジュールである。

 このモジュールによりユーザは他のロボットと交渉が必要な時にも次のように指定 することにより容易に、ロボット間の交渉が可能である。

Out = [[R,Req]|Out1]

 ここで、Rは交渉相手となるロボット(r1,r2,,all)Reqは、要請(質問)する内容を表す。 また交渉相手のロボットには、この実行計画モジュールにより、交渉要求を出したロボット、要請(質問)された内容を知らされる。

以上のモジュールに、ユーザが作成したプログラムを付け加えることで、 容易にマルチエージェントロボットシステムが構築可能である。

pick-and-place問題を対象にしたロボットシステムにHANDEY(,1992)がある。 このHANDEYは、視覚センサを有し、物体把握、障害物回避を中心にマルチロボットにも対応したシステムである。 HANDEYにおける視覚センサは、物体形状を見るためのものであり、 物体が移動する等の動的環境の変化は扱えないのに対し、 本研究で構築したシステムは、動的環境の変化に対応できる。 また、HANDEYの構成要素の1つに''multi-arm coorinator''があり、ここで マルチロボットのパスを調整するのに対し、本システムでは、お互いの交渉により ロボット自身がパスを決定する。



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