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本年度は,HPSGに基づく日本語および英語の文法については基本的なものの作
成に留まった.一方,言語資源(文法,辞書)の統合的な評価のための言語解析
環境については,基本的な機能を持ったプロトタイプシステムを作成すること
ができた.前者については,今後はカバーする言語現象の範囲を拡大すること
が必要である.後者についても,今後次のような点を改善していく必要がある
と考えている.これらは,次年度の課題であり,次のようにまとめられる.
- 評価に利用できる例文は、文法が正しく解析できるものに限られる。
したがって、より広範囲に評価実験を行なうためには、文法のcoverage
をより広げる必要がある。
- 今回開発したシステムでは,解析過程で得られた部分解析結果をわかり
やすく表示することができるが,解析の失敗が起こった場合にその原因を同定
するためのサポートは考慮されていない.制約の不備からくる曖昧性解消の失
敗だけでなく,厳し過ぎる制約からくる解析の失敗の原因の特定を支援する機
能も付け加えていく必要がある.
- 曖昧性解消に対する有効性を評価するためには、原則的に、例文の解
析結果の正解(可能解)を知っておく必要がある。利用者との間のインターフェー
スをより柔軟にすることによって対処する予定である.
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