第五世代プロジェクトの研究開発の経緯 研究開発計画と予算 第五世代コンピュータプロジェクトは、その研究開発目標が、コンピュータ技術の 未踏分野であったため、プロジェクト期間中を、前期、中期、後期に分け、研究の進 捗状況を見ながら目標を、順次、詳細化していく方針をとった。 研究開発予算額については、各期の始めに、その期の研究開発内容に応じて決定 された。結果的には、研究開発は、広く内外の研究者の協力を得て、幾度か技術的な 困難を克服、その歩みを止めることなく、後期の目標まで到達した。 並列推論システムの研究開発過程 並列推論マシンPlMや、大規模な並列ハードウェアを効率良く管理し、かつ、 生産性の高いKL1プログラミング環境を提供する並列OS,PlMOSの開発は、 必要な要素技術をひとつひとつ積み上げる地道な努力の結果、達成された。 前期は、逐次型の推論技術の開発と蓄積につとめ、中期では、逐次型推論のハー ドウェアやソフトウェア技術を土台として、並列処理の世界へと飛び移った。そし て、後期では、並列処理の世界での新しいソフトウェア作成技術や、並列知識処理の 応用分野の開拓に力を注いだ。- 2 -