KLICプログラミング・コンテスト 実行委員長 東京理科大学理工学部経営工学科 教授(委員長) 溝口 文雄 「KLICプログラミングコンテスト」はこれで3年目ですが、昨年までの経験で みて、審査というのは非常に、勉強になり、このような機会はないと思い、実行委 員長兼審査委員長を再び、お引受けしました。 このコンテストは第五世代コンピュ−タプロジェクトで開発された並列論理型言語 KL1の処理系KLICの普及促進を図ることを目的に企画されたものです。 KL1による並列プログラミングの技量を試す絶好の機会でもあり、応募要領を情 報処理学会誌、雑誌、ホームページに英語版を含めて掲載するなどして、多くの作 品を募りました。 コンテストは昨年と違い、できるだけ多くの人が応募できるように、問題もそれほ ど難しいものでないエントリ・コース、専門家向けの並列性を生かしたスピード・ コース、誰でもが考えられる自由課題のアイデア・コースという3つのコースを設 定しました。今年の応募状況は次のようになりました。 エントリ・コース 75件 スピード・コース 8件 アイデア・コース 2件 このように、昨年に比べると応募はエントリ・コースがあるためかかなりの数にな ったといえましょう。全体としては、3年目にふさわしい応募数でありこれは雑誌 などの効果といえましょう。 専門向けのスピード・コースは昨年と同様に、やや取っつきにくい問題だったよう で、応募もそれほど多くありませんが、内容的には優劣がつけがたいレベルだった と思います。アイデア・コースは応募が少なく、残念でした。 さて、審査委員会の作業ですが、委員会のメンバーは昨年度と同様に、かつてIC OTにおいて、KL1の設計や処理系開発、また、そのユーザであった方々に参加 していただきました。また、与えられた課題に対する応募作品の実行時間の測定や マニュアルの評価などを正確かつ公平に行なうため、かなりの数の方々に協力いた だきました。エントリ・コースは大勢の応募者が基準レベルを越えていましたので、 最後は、くじ引きになりました。その様子もホームページに写真があると思います。 落ちた人は、くじ運が悪いということで、内容で落ちたのではありません。 各コースの審査状況につてはそれぞれの講評をご覧いただくとして、全体的にみる と、応募作品はKL1の特徴をよく理解し、工夫を凝らした作品が多く、審査委員 長としては、満足のいく結果となりました。改めて、応募していただいた方々に感 謝の意を表します。 これで(財)日本情報処理開発協会、先端情報技術研究所でのコンテストの開催は 今年度で終わりますが、引き続き、何らかの形でコンテストが開催される予定です。 最後に、ご応募頂いたみなさん、また、審査にご協力頂いたみなさん、ありがとう ございました。