【全体講評】 今年度の自由課題部門への応募は一件だけでした。昨年度の入選作品がロボッ トゲーム、WWWブラウザ、学習するゲーム、WWWサーバーというように大作が多 かったためか、しりごみしてしまった応募者が多かったのかもしれません。ま た、逐次部門や並列部門と併願していた応募者は、今回、それらの応募に時間 をとられ、自由部門まで手が回らなかったのかも知れません。 応募作品はSchemeプログラムをKL1 プログラムに変換するトランレータStoKを 与えるものです。今回は競争相手がいないため、委員会としてどの賞にするか 悩みましたが、昨年の入選作品などと比較して、佳作にすることにしました。 「自由課題部門」は KL1プログラミングの技術力だけでなく、応募者の個性を 主張できる絶好の部門です。もっと多くの応募作品を期待したいと思いました。 【プログラム講評】 《佳作》大山 恵弘 殿 (東京大学大学院 理学系研究科 情報科学専攻) 応募作品はSchemeプログラムをKL1 プログラムに変換するトランレータStoKを 与えるもので、まずSchemeで記述したトランレータを作成し、そのトランレー タを自分自身でコンパイルして、KL1で記述されたStoK処理系を作成している。 KL1による言語処理系がどの程度簡単にできるかという面白い試みでした。 応募者のこれまでのバックグラウンドのためか、実装を比較的短期間で完成さ せたにもかかわらず、コンパイラの能力は非常に高いものでした。このように 短期間のうちに、きっちり動く処理系を作ったことは大いに評価できます。